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百五十二 ページ20
それから雛はアタシの本丸の一室で顕現をとく作業に入った。
刀解は政府の方でするらしい。
雛は丁寧に一人一人に挨拶をしていた。
一期「…自分が刀解されるところを見るのは、何だか妙な気分ですな」
遥「嫌ではないの？」
一期「嫌だと言うより…なんでしょうな。こう…よくわかりません」
遥「わかんないのかよ」
一期「でも、いい気分ではありません」
遥「…だろうな」
それをそっと見守っている一期。
目を逸らさず、焼き付けるように見ていた。
雛芥子「遥ちゃん」
遥「ん、終わった？」
雛芥子「いや、山姥切さんがまだ…」
遥「…」
どの刀よりもずっと一緒にいた刀だ、離れ難いのだろう。
遥「…1振くらいだったら…」
雛芥子「え？」
遥「1振だったら、正式なことが決まるまでは顕現しててもいいんじゃないかって」
雛芥子「ううん、いいの」
遥「え？」
雛芥子「ここで山姥切さんだけ特別扱いなんて出来ないもん」
遥「雛…」
雛芥子「寂しいし、悲しいし、辛い。けど、私には彼に最後の挨拶をできる時間を与えてもらった。それだけで充分」
遥「…そ」
雛の目には涙は浮かんでなかった。
強い決意が滲み出ていた。
その目を見て、私は1つ頼み事をする事にした。
遥「雛、一つ頼みがあるんだけど」
雛芥子「ん？なに？」
遥「みんなには内緒で」
雛芥子「………うん、わかった」
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作者名：桜海 | 作成日時：2019年1月31日 0時
