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百六十四 ページ32

久々の明かりに目が潰れそうになる。

それがこんなに幸せなことだとは思わなかった。

地下牢を出たところには陸奥守と、その肩に乗ってるこんのすけ、そして疲弊しきっているように見える鬼神丸がいた。




鬼神丸「!遥!」
遥「…なんか、ごめん」
こんのすけ「ご無事で何よりです、主様!」
陸奥守「みんな心配しとった!」
遥「…うん、ごめん」
陸奥守「ごめん?」
遥「…ありがとう」
陸奥守「うむ!」




お礼をいうと満足したように陸奥守は満面の笑みを浮かべた。




こんのすけ「さすがに騒ぎになっていますね。早々に立ち去った方がいいでしょう」
鬼神丸「あぁ。遥、大丈夫か?」
遥「おう」
女性役員「あ、あの!」
鬼神丸「あ」
女性役員「また、会えますか…?」
一期「鬼神丸殿、最後までやりきるのが男ですぞ((ボソッ」
陸奥守「ほーじゃほーじゃ((ボソッ」




2人にそう言われて深くため息を吐いたあと、鬼神丸は気持ちが悪い程の営業スマイルを浮かべた。




鬼神丸「運命が許すのなら、また」
女性役員「((トゥンク」
鬼神丸「離れ難いです…ですが使命のため、ここでお別れです。また貴方に会えることを祈っています」
女性役員「わ、私も!貴方と会えることを望んでいます!」




そう言って振り向きこちらに向かってきた鬼神丸の顔は、とてつもなかった。




こんのすけ「鬼神丸殿、そのような表情も出来るのですね…」
鬼神丸「これ以上吠えてみろ狐。その無駄に大きな頭を2等分にしてくれる」
こんのすけ「ヒッ」
遥「帰ったら、お前の好きな物作ってもらおう。今回のMVPはお前だ。間違いない」
鬼神丸「…(遥のためとはいえ、遥以外の女に触ることほど不快なことは無いな)」

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作者名:桜海 | 作成日時:2019年1月31日 0時

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