九十二 ページ5
奏「我々は、時間遡行軍の有力な情報を得ました。それにより、近いうちに大きな戦があるでしょう。そこで、初代審神者として経験豊富な貴方に、もう一度力を貸していただきたく、こうして未来からやって来ました」
かれん「ふふ、買い被りすぎよ。辞めてもう何十年も経つのよ?」
奏「それでも、貴方の存在は偉大です。どうか、力を貸していただけないでしょうか」
かれん「…」
かれんさんはそっと目を伏せた。
和泉「自分勝手過ぎるだろ…散々俺らを苦しめておいて!!」
かれん「まぁまぁ、兼定さん」
和泉「だってそうだろ!」
かれん「元はと言えば私達が脱走したのがいけないんですもの」
和泉「それだって」
かれん「兼定」
和泉「…ッチ」
かれん「ごめんなさいね、この人、血の気が多くて」
奏「いえ…」
アタシは、2人の言葉に引っかかった。
「自分勝手」「苦しめた」「元はと言えば」。
遥「…聞かせて」
かれん「え?」
遥「アンタらの話」
奏「遥ちゃん」
遥「なんか嫌なんです。相手のことも知らず、物事を頼むのは」
奏「…」
遥「押し付けてばかりは、なんか、腹立つんです」
そう言うと、かれんさんはふふ、と上品に笑った。
遥「…?」
かれん「貴方、名前は?」
遥「…遥」
かれん「遥ちゃん、貴方面白い子ね」
遥「なっ」
かれん「褒めてるのよ」
かれんさんは「長くなるから、お茶淹れてくるわね」と、キッチンに入っていった。
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作者名:桜海 | 作成日時:2018年10月13日 8時