百十 ページ23
清光「今日は泊まり？」
遥「そう考えてる」
清光「じゃあみんなに伝えてくるよ。一期さん、予備の布団出すの手伝って」
一期「わかりました。遥殿、行ってきます」
遥「はいはい」
清光はよく働くなぁ。
助かるわー。
かれん「…ありがとう、遥ちゃん」
遥「え？」
かれん「私、ここに来てよかった。翼にも会えたし」
遥「ならよかった」
和泉「あー…色々きついこと言って、悪かったな」
遥「それは奏先輩に謝って」
和泉「…ウッス」
2人を連れて来たのは、審神者部屋。
かつて翼が使っていた、現アタシの部屋だ。
2人に、あるものを見せたかったから。
遥「はいこれ」
かれん「？これは…」
遥「翼直筆のノート」
かれん「直筆…か。親失格ね。翼の字知らないから、直筆かもわからないわ」
ほぼ初めて見るであろう娘の字に泣きそうになっているかれんさん。
いや、涙脆いな。
とりあえず横にティッシュを置いといた。
遥「間違いなく直筆だよ。それが翼の字」
かれん「…そう。これが、翼の字」
和泉「かれんの字に似てるな」
かれん「 “ の ” の字は兼定ね」
和泉「こんなに下手くそじゃねぇよ！」
かれん「あら、自分の子の字に下手くそなんて、酷いパパ」
和泉「パパって呼ぶなパパって！」
翼が書いた、刀剣男士のメモ。
これを見たおかげで、三日月と仲良くなったんだっけ。
そう考えたら世話になったなぁ。
2人は明るい雰囲気でメモを見ている。
その顔は親の顔。
ここに翼がいればと思ったって、もう無駄なことか。
((ガラッ
陸奥守「邪魔するぜよ！」
遥「陸奥守、何探してたの？」
陸奥守「ん？これじゃ！」
そう言って懐から取り出したのは、アタシが持っているノートと似たようなノートだった。
陸奥守「わしぁここの初期刀の陸奥守吉行じゃ。翼の事はここにいる誰よりもよう知っとる自信がある。聞きたいことがあれば気軽に言えばええ！」
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作者名：桜海 | 作成日時：2018年10月13日 8時
