九十八 ページ11
入ったのは、人が少なめなカフェ。
人混みに行くと、こいつは異様に注目を浴びるからと、アタシが提案し、(強制的に)ここになった。
目の前には、メニューを悩ましげに見ている一期。
心なしか、楽しそうだ。
遥「…楽しいの」
一期「えぇ。貴方との初めてのでえとですから」
遥「ぶっ」
お冷吹いたわ。
遥「誰があんたなんかとデートなんて…」
一期「満更でもないくせに」
遥「帰る」
一期「まぁまぁ」
なんだコイツ本当に。
何がしたいのかさっぱりわからん。
一期「すみません」
どうやら、頼むものが決まったらしい。
すぐに来た店員に、手馴れた様子で頼む一期。
一期「どうかしましたか?」
遥「いや、頼めるんだなって」
一期「どうしたらそんな無礼な娘に育つのやら」
遥「喧嘩?買う買う」
一期「今はやめましょう」
そう言って笑う一期。
…何が楽しいのか、さっぱりだ。
一期「このぱんけえきなるものがたいへん美味しそうでして」
遥「…」
一期「?」
遥「アンタ、楽しそうだね」
一期「遥殿とのでえとですから」
デートにはもう触れない。めんどくさい。
ルンルン気分の一期を見て、アタシは当初から抱いていた疑問を彼にぶつけた。
遥「アンタさ、最初アタシの事嫌いだったよね」
一期「嫌いではありませんでしたが…まぁ、はい」
遥「一体アタシの何を好きになったの」
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作者名:桜海 | 作成日時:2018年10月13日 8時