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「ごめんっ、今のは
忘れて…、」
壱「それたぶん、オカンの。」
「…へ…？」
私は壱馬くんの言っている意味がすぐにピンと来なく
て、間抜けな声を出してしまう。
壱「洗面所に置いてあった、あれやろ？」
「そっ、そう…だけど…、」
私が恐る恐るそう言うと、なんと壱馬くんはこの場に
及んで吹き出したのでパニックになっていると、
壱「あの歯ブラシは、オカンの。つい最近まで一緒に
暮らしてて、たぶんそれを俺が処分するなりしなきゃ
と思いつつ、忙しくてつい忘れてた。笑」
「おかあさん…の…って、えぇえ？！！」
壱馬くんが一人暮らしじゃなかったこと、そしてそれ
が壱馬くんのお母さんの物だとはこれっぽっちも思い
つかず、ただただビックリだ。
壱「え、でもオカンの歯ブラシとカリンさんの関係性
が分からない…。」
顎に片手を添えて考える彼は、こんな状況でもとても
絵になる。
「だってカリンさんは言ってたよ！壱馬くんの家に泊
まったことがあるって！だから…その…、そういう関
係なのかな…と…。」
壱「泊まったのも、だいぶ昔の話しやな。笑
他のメンバーもおったし、しかもそれ後にも先にも一
回だけやで？だからAさんの思ってるような関係
とか無いし。」
カリンさんは、そんな感じでは言ってなかったの
に…。
でも、壱馬くんの目は嘘をついてるようには見えな
い。
壱「あと…それに俺、ずっと好きな人おるし。」
「えっ…、」
眉を下げてそう言った壱馬くんを見て、胸をナイフで
突き刺されたように痛みだす。
ずっと好きな人…、壱馬くんにはそういう人がいたん
だ…。
私と付き合っていても、その人が忘れられないとか…
だったのかな…。
カリンさんとのことがハッキリしても、結局傷つく結
果になってしまった。
分かっていても、やっぱりダメージは大きい。
そんなこちらの思いもつゆ知らず、壱馬くんは私の少
し後ろを見ながら続ける。
壱「おっちょこちょいな鈍感かと思いきや、芯のしっ
かりしてる所もあって。自分を犠牲にしてまで優しい
人で…、」
私ではない誰かを想いながら微笑む壱馬くんを、これ
以上見ていられないよ…。
「そっか…、そっかそっか！すごく素敵な人だね！」
壱馬くんの記憶にも、残らないかもしれない。
それでも、彼に映る最後の自分くらい笑顔でいたかっ
た。
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい（ ; ; ）こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2021年3月22日 22時) (
レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました！良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます！更新できるよう頑張ります！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2020年10月19日 12時
