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壱馬くんを好きだと気付いた時も

こうやって走った気がする。


無我夢中で、この想いを伝えたくて。


今、私の中はその時と同じ。



彼との関係が変わらなくても、壱馬くんにちゃんと伝

えたい。






霊園の出入り口まで戻って来た時、その側に置いてあ

るベンチからちょうど立ち上がった壱馬くんが目に入

る。



「待って!!」



良かった…、間に合った…。





「私っ…、壱馬くんと過ごした時間すごく楽しかった

し、幸せだった!」



そう遠くない距離感で、向き合う形となった私たち。




「こんなこと今更言うのも変だけど…、ちゃんと言え

てなかったから…。」




別れた時は言い逃げみたいな形だったから、ちゃんと

気持ちを込めて言いたかった。




壱「いや…でも俺、結果Aさんのこと傷つけた

し…。だからそんなお礼言われる立場じゃない…。」




壱馬くんは下を向いて、呟くように言う。




「それなら、私だって嫌な思いをさせちゃった所もた

くさんある。」




こんな私だったから、彼女として期待に応えることが

できなかったり、それこそ恥をかかせてしまったこと

もあると思う。




でも優しい壱馬くんのことだから、きっとそれを分か

らないようにしてくれたんだよね…。




「だから…、だから壱馬くんの気持ちが途中から離れ

ていってたことも重々承知で、」

壱「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って。」




すると、壱馬くんに慌てて制される。



壱「俺の気持ちが…途中から離れていった…?」




「う、うん…。週刊誌の件は慎くんも言ってたし、あ

れは真実じゃないにしても、カリンさんを家に呼んで

るくらいだから…、」




自分で言ってフラッシュバックする、壱馬くんの洗面

所にあった赤い歯ブラシ。




壱「デビューしたての頃は、確かに翔平とか含めてそ

ういう時もあったけどそれっきりだし…、

それこそAさんと付き合ってからなんて連絡もと

ってないし、二人でなんて会ってもないで?」



「でも!Aくんの家の洗面所には、カリンさんの

赤い歯ブラシがっ…!」



壱「赤い…歯ブラシ…?」




このことは問い詰めるつもりはなかったのに、つい言

ってしまった。



わざわざ自分から傷つきに行くなんて、ほんと自分バ

カ…。

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設定タグ:THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい( ; ; )こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2021年3月22日 22時) (レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました!良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます!更新できるよう頑張ります! (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます! (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそじ | 作成日時:2020年10月19日 12時

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