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どうして壱馬くんがこの場所を
知っているかというと、
じいちゃんが亡くなった後にお付き合いを始めた私た
ち。
その報告も兼ねてお線香をあげたいと言ってくれたの
で、一度一緒に来たことがあったのだ。
だけど家族ですら忙しいを理由にお盆やお彼岸、今日
みたいに年始くらいしか来れないというのに、壱馬く
んは来てくれた。
ましてや私たちの関係も終わってるというのに…。
「本当にありがとう。じいちゃんも喜んでると思
う。」
壱「俺が…、来たくて来てるだけだから。」
私たちの間に嫌な間ができて、気まずくなっていたら
壱馬くんが気を遣ってくれる。
壱「そういや…、あけましておめでとう。」
「あっ、あけましておめでとう！今年もよろしくお願
いします！」
ペコペコと頭を下げたら、壱馬くんのフッと笑う音が
聞こえてハッとする。
「あっ…いやっ…、ごめんなさい。私たちもう関わる
こと無いのにね！」
「終わった関係」なのに、「今年もよろしくお願いし
ます」とか自分図々しすぎるでしょ…。
だって私は…、永遠の片想いなんだから…。
「じゃっ、じゃぁ〜私行くね！壱馬くんも、お仕事頑
張ってね！」
壱馬くんの返事を待たずにくるりと向きを変え、歩き
出した私。
人との関わりを大切にする壱馬くんのことだ。
お墓参りに来てくれただけで、私は何を期待してるん
だ。
それに私じゃない、壱馬くんはじいちゃんのことを思
って来てくれた。
だけど私は、その気持ちを自分の良いように解釈し
て最低だ…。
涙で滲む中、歩きながら自分を責め立てる。
だけど…、今度こそもう二度と会えないかもしれな
い。
確かに永遠の片想いな形になってしまったけれど、こ
うして再会できたのも何かの縁と言えば縁だ。
それまで早歩きだった足がゆっくりと止まった瞬間、
ザァッ！と冷たい向かい風が吹く。
じいちゃん…？
思い込みかもしれないけれど、さっきから「なんとな
くの勘」が働いて仕方ない。
もしかしたら、じいちゃんが振り返れ！って向かい風
で教えてくれた…？
私は冷たい両手に、ギュッと力を入れる。
じいちゃん…私、このままじゃいけないね。
じいちゃんから教わった大切なこと、忘れちゃってた
よ…。
そして、私はまた来た道を走り出した。
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい（ ; ; ）こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2021年3月22日 22時) (
レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました！良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます！更新できるよう頑張ります！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2020年10月19日 12時
