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「だって私がココア好きなの
知ってるの、パパと
壱馬くんくらいだよ？」
家にいるパパが、わざわざ裏口のドアノブに買って来
た物を引っ掛けるわけがない。
そうなると、残る一人は壱馬くんなわけで…。
「だから、ありがとう。すごく嬉しかった。」
壱「…べっ、別に…。」
今までの私たちと立場が逆転した珍しい展開に、思わ
ず笑みが溢れてしまう。
だけどやっぱり彼の方が一枚上手なわけで、
壱「そしたらそのお礼、今日して。」
「えっ？！」
するとこちらに体を向ける体勢に変え、目の下まで掛
け布団を持ってきたかと思うと、
壱「治るまで、側にいてほしい。」
あざとい、その言葉が今の壱馬くんにはピッタリだ。
たぶん、その辺の女子よりも。
「でっ、でも…、」
壱「お礼、してくれへんの？」
「う…、」
本当に病人なのかな？と疑うほど、期待の眼差しを感
じる…。
「わっ、分かった！分かりました！！」
もうここまできたら、ヤケクソだ！
もう自分の気持ちが後々大変なことになろうとも、知
ってたまるか！！
内心、そんな風に地団駄を踏んで投げやりな自分にな
る。
ありがと、と優しく微笑む壱馬くんを横目に、私は高
鳴る心臓を落ち着かせるのに必死だ。
「これからは、あんまり無理しないでね…？」
壱「はい、気をつけます。」
目を瞑って微笑みながらそう言った壱馬くんは、まだ
熱があるせいかすぐに規則正しい寝息をたてて寝てし
まった。
目にかかるかかからないかのサラサラで黒い髪の側で
は、羨ましいくらいの長い睫毛によって硬く閉じられ
た瞼。
いつ見ても整ったその顔を、寝ているのをいいことに
少し近寄ってまじまじと見つめてしまっていると、彼
の前髪が目にかかるように自然に動いた。
邪魔にならないようにと、片手でその前髪を優しく元
の位置に戻してあげるが、彼はビクともしない。
もう一度…、なんて言ったら壱馬くんはなんて言う？
冗談やろ、って笑われる？
いや、優しい壱馬くんのことだ。
きっと、「Aさんにはもっと良い人がいるよ」っ
てさりげなく遠ざけられる。
加納くんと前に進むって決めたのに、ここまできても
私、壱馬くんのことばっかり…。
「…いっそのこと、拒絶されるくらい嫌ってくれたら
いいのに…。」
本心とは反対の言葉が、一人部屋に小さく響いた。
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい（ ; ; ）こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (2021年3月22日 22時) (
レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました！良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます！更新できるよう頑張ります！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます！ (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2020年10月19日 12時
