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「でも、慎くんを怒らないでね?!

たぶん、本当に何か困ってたから私に

連絡くれたんだろうし…。」



壱「分かってる、怒ったりせぇへんよ。慎は慎なりに

一番の方法を考えてくれたんやろ。」




フッと笑った壱馬くんは、仰向けのまま天井を見上げ

た。



一番の方法って言うけど、きっと私がここにっていう

よりも、慎くんが誰でも良いから自分以外の人間と一

緒に看病することで安心できる、きっとそういうこと

だろう。



危うく自分にお声がかかって、特別扱いされていると

勘違いしてしまうところだった…。




「なっ、何か飲む?!スポーツドリンクもあるし、栄

養ドリンクもあるけど!」



自分の気分を変えるためにも、と思いビニール袋から

買って来た物を出しながら、



「ゼリーもあるよ!もしそれ食べるならスプーン取っ

て来てあげ、」


壱「来て。」



「…えっ…?」




ローテーブルの前で固まる私に、壱馬くんは布団の中

から片手を伸ばしている。




壱「こっち来て…、Aさん。」




どうしよう…。


これ以上、壱馬くんに近付いてしまうと、なんだか後

戻りができない感覚になる。




だけど掠れた声でそう言われて、断れる訳がない。




そして私の体はゆっくりと彼に近付いて、ベット脇に

正座をした。




壱「ありがとう、安心する。」




いつもカッコ良くて、クールな壱馬くん。



それなのに今まであまり見た事がない、ふにゃりと笑

う表情に不覚にも胸がキュンとする。




「熱が出たの…?」


壱「まぁ…、そんなとこ。朝起きたら少し調子悪く

て、でも撮影あるしで強行突破したら案の定このザマ

よ。」



「私の、うつしちゃったかな…。」



壱「いやいや、その日から日は経ってるしちゃうや

ろ。」



正座のまま落ち込む私を見て、フハッと笑いながらフ

ォローしてくれる壱馬くん。




「でもあの時は、ありがとう…。お礼言うの、遅くな

っちゃってごめんね…。」



やっと言えた、あの時の感謝の気持ち。



壱「ええって。俺は当たり前の事をしたまでだし。」



「差し入れも…、次の日ナミちゃんが気付いて持って

来てくれたの。私の好きなアイスココアも入って

て…、」



壱「そっ、そんなん俺やないかもしれへんやん…。」




すると、壱馬くんは急にそっぽを向いてしまった。




妙に真実を隠したがる彼がおかしくて、私は少し意地

悪な言い方をしてみる。

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設定タグ:THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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みそじ(プロフ) - ましゅさん» お返事遅れてしまいごめんなさい( ; ; )こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました! (2021年3月22日 22時) (レス) id: 4773dc142a (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - わぁー(;_;)壱馬くんsideとカリンsideありがとうございました!良かったです。改めて完結おめでとうございます☆ (2021年2月28日 22時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ma9さん» お褒めのお言葉ありがとうございます!更新できるよう頑張ります! (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - まりさん» コメント&お褒めのお言葉ありがとうございます! (2021年2月12日 10時) (レス) id: 6c1fcd7cbb (このIDを非表示/違反報告)
ma9 - おまけストーリー面白かったです。サイドストーリー楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月8日 22時) (レス) id: aa709fe039 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みそじ | 作成日時:2020年10月19日 12時

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