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「ごっ、ごめんなさいっ！！」
私は慌てて立ち上がり、彼から少し離れた。
壱「あ、いや…別に…、サンキュ。」
彼も首元を片手で触り、居心地悪そう。
ほぼほぼ初対面の人に、距離感考えなさいよ自分！
絶対向こうも不快に思ってるに違いない…。
「また明日な」と言われて約束もちゃんと守った。
もうこれでいいだろう。
鞄の取っ手を握る手に少し力を入れてから、
「早く治るといいですね！それじゃぁ私はこれ
で…、」
壱「え、もう帰るん？」
「えっ…、」
壱「今日はまだ時間大丈夫やから、もう少し俺の話し
相手になってや。」
そして、彼の隣のスペースをポンポンと軽く叩いて座
れの指示。
一瞬ためらったけれど、私はゆっくりと彼の隣に人一
人分をあけて座った。
座った瞬間、彼は開口一番に、
壱「んで、名前は？」
「あっ、えっとA…、AAです。」
壱「Aかぁ、ええ名前やな。」
ニコッといきなきりこっちを向かれて、思わず勢いよ
く視線を景色に移す。
「そっ、そうですか？普通ですよ、普通！」
名前を褒められるなんてこと、人生で一度も無かった
からなんか変な感じ…。
なんだか、胸の中がむず痒い。
壱「そういや、初めて会った時叫んでたけど、嫌いな
ん？ここ。」
げ…、いきなりその話題を掘り返すの…。
「…好きか嫌いかで言ったら、嫌いです。」
私は膝の上にある鞄を見つめながら答える。
壱「なんでなん？自然もたくさんあって空気は綺麗や
し、めっちゃええとこやん。」
彼は缶コーヒーを一口飲んでから、目の前に広がる
山々の景色に目を細めた。
「都会から来た人はみんなそう言うんですよ。でも住
んでる身としてはオシャレなお店もないし、代わり映
えのしない景色ばっかりで嫌なんです。」
彼の語尾につく関西弁。
東京とは違っても、その関西の方がここよりは断然い
いし、素敵な場所がたくさんあるんだろう。
だからきっと、分からないんだ。
こんな田舎町に住む、私の気持ちが。
壱「まぁー、年頃だもんなぁ。流行りの物とか目新し
い物の方が魅力的に見えるもんかぁ。」
「年頃って…私とそんな変わらないじゃないです
か！」
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みそじ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます！だらだらと長くなっていますが最後までお付き合い頂けると嬉しいです（ ; ; ）その後のストーリーも検討しておきますね！ (2020年2月5日 11時) (
レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すごく素敵なストーリーですね！更新を楽しみにしています！付き合うまでの過程も面白いですが、その後のストーリーとかもあって欲しいなって思います(^^) (2020年2月4日 23時) (レス) id: 2e81ed1e8d (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！切ない気持ちになって頂けるのが狙いだったので良かったです！笑 更新遅いですが今後の展開はお楽しみでお願いします（ ; ; ） (2020年1月15日 19時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - ふじおくんとつかさくんの優しさ…主人公ちゃん自分の気持ちに気付いたのに切ないです(;_;)(;_;)もう会えないのかな？(;_;) (2020年1月14日 15時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - KKさん» コメントありがとうございます！更新遅くてごめんなさい（ ; ; ）そのお言葉、励みになります！ (2020年1月7日 12時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそじ
| 作成日時：2019年12月28日 15時
