１１ ページ11
制服を着ているし、離れていても
せいぜい二歳程度なのに、
やけに年上間感覚で言われたので
思わずツッコミを入れると、
壱「…まぁまぁ、そうやけど。」
景色を見ながら苦笑い。
壱「でもさ、逆を言えばここでしか無いものもあるや
んか？都会は空気あんま良くないし、人の流れみたい
なんもんが忙しなくて時間の流れも早く感じるで？心
に余裕無くなるってゆうか…。」
彼の横顔をチラッと見れば、どこか遠くを見つめてい
るけれど、その心は少し寂しそうだった。
まるで、安心する場所が無いみたいに。
「関西かどこかは知らないけど、都会ではずいぶんと
忙しい日々を送ってこられたんですね。」
少し嫌味っぽく言うと、よっぽど忙しい日々だったの
かそんなの気にして無い様子で、
壱「ホンッマに忙しい！だけど、それはそれでありが
たいことだって思わなアカンねんなぁ。」
なんなんだ、この人…。
忙しいのにありがたく思わなきゃいけないって、意味
が分からない…。
喧嘩のしすぎで、どうかしちゃったんじゃないの？！
怪訝な顔で見ていたら、そうや、といきなりズボンの
ポケットを探り出して千円札を無理やり渡される。
「なっ、なんですか…？」
壱「またあのカレーパン食べたいから、明日買って来
てや。」
「えっ？！また明日って…、」
壱「言わなくて分かるやろ？明日またここでな。」
ふっと笑い、自分のお尻を軽く叩きながら立ち上がり
歩き出す彼。
ちょっと待て、待て！！
またまた明日って…、しかも今度はおつかい頼まれた
し！！
てゆうか、それもそうだけど彼の名前まだ教えてもら
ってないし！！汗
「あのっ！！」
ポケットに片手を入れて歩く後ろ姿に、慌てて呼びか
ければ、ゆっくりと彼は振り返る。
「名前…、まだ教えてもらってません…。」
壱「あぁ…、悪りぃ。忘れてたわ。笑
…楓士雄。」
「楓士雄…くん？」
壱「せや。また明日な、A。」
「っ！！」
名前っ…呼び捨てっ！！
そしてニコッとした後くるりと振り返って、ひらひら
と片手を振って帰って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みそじ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます！だらだらと長くなっていますが最後までお付き合い頂けると嬉しいです（ ; ; ）その後のストーリーも検討しておきますね！ (2020年2月5日 11時) (
レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すごく素敵なストーリーですね！更新を楽しみにしています！付き合うまでの過程も面白いですが、その後のストーリーとかもあって欲しいなって思います(^^) (2020年2月4日 23時) (レス) id: 2e81ed1e8d (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！切ない気持ちになって頂けるのが狙いだったので良かったです！笑 更新遅いですが今後の展開はお楽しみでお願いします（ ; ; ） (2020年1月15日 19時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - ふじおくんとつかさくんの優しさ…主人公ちゃん自分の気持ちに気付いたのに切ないです(;_;)(;_;)もう会えないのかな？(;_;) (2020年1月14日 15時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - KKさん» コメントありがとうございます！更新遅くてごめんなさい（ ; ; ）そのお言葉、励みになります！ (2020年1月7日 12時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みそじ
| 作成日時：2019年12月28日 15時
