nostalgic

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「あ〜っ…なんか変に緊張

してきてお腹痛い…。」




ユズ「何言ってんの〜！笑

もうこの先は、幸せしか待ってないくせに〜。」





下駄箱まで降りて来た私たちは、靴を床に置きながら

浮かれていた。








その時、名前も知らない一つ上の先輩たちが私たちの

側で立ち止まり、立ち話を始める。






女先輩１「ねぇ知ってる？この近くで映画の撮影やっ

てるって話し。」



女先輩２「知ってる知ってる！なんかEXILEの人たち

なんでしょ？」







私は靴を履きながら、私はもうその情報一足先に知っ

てるし〜と、心の中で自慢げにする。





女先輩１「そう！うちの近くで撮影やってて、この前

見えちゃったんだけど、川村壱馬と吉野北人って人が

撮影しててさ。その二人めっちゃカッコイイから！」




女先輩２「へぇ〜、今調べてみよっと。」









ユズ「情報回るの早っ。さすが小さい街だけあるね

っ。」




ユズも聞き耳をたてていたのか、靴を履きながら私に

小声で耳打ちをして来たので、私は苦笑いで返した。





女先輩２「あった！これ？」



女先輩１「そうそう！それそれ！めっちゃカッコよく

ない？って、あっ！」





すると、携帯を手に持つ女の先輩に誰かがぶつかり、

私たちの足元にその携帯が見事に飛んできたので、拾

い上げた時だった。







その画面を見て私は固まり、思わず声が漏れる。





「えっ…、」





女先輩２「あっ！ありがと〜、ごめんね！」







その画面には髪型や髪色は違えど、私のよく知る二人

が笑顔で写し出されていたのだ。






画面に釘付けになり、なかなか携帯を返さない私を不

審に思ったのか、




女先輩２「えっ、なに大丈夫？」


ユズ「Aっ？」





「…あっ！ごめんなさい！」




私はやっと我に帰り、女の先輩に携帯を渡す。







嘘だ…、嘘だよ…。




なんで…あの二人が…？






不気味そうな目でチラチラと見られたけれど、勇気を

出して私は再確認するために、名前も知らないその女

の先輩たちを呼び止めた。






「あのっ！…その二人の名前をもう一度教えてもらっ

てもいいですか…？」






女先輩１「え…、川村壱馬くんと吉野北人くんだけ

ど…。」





「ありがとうございますっ！」




私は勢いよく一礼して顔を上げると、怪訝な顔でコソ

コソ話しながら女の先輩は帰って行った。

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