２８ ページ28
ユズ「ちょっと、A！
どうしたのよっ？！」
ユズは私の腕を揺さぶり、心配している顔。
「さっきの人…、楓士雄くんだったかも…。」
ユズ「えっ…？どいうこと？」
私は自分の携帯を取り出して、インターネットで二人
の本当の名前を打ち込む。
そして全然ヤンキーじゃない二人の写真をタップし
て、ユズの顔の前にその画面を差し出した。
ユズ「えっ…これって…、」
「楓士雄くん…じゃなくて、川村壱馬くんだったかも
しれない…。」
ユズ「えっ…、えぇえぇーっ？！！！！」
ユズはこれでもかってくらい、のけぞって目を見開い
ている。
朝、廊下でジロジロ見られた時よりも多くの人に見ら
れてることなんて、もう気にならない。
だって、そんなことより一刻も早く彼に会って確認し
たいから。
「ごめん私、もう行くねっ！」
ユズ「えっ？！ちょっと、Aっ？！」
ユズの引き止める声に手を振って、私は走り出した。
本当の彼がいる場所へ。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…、」
びゅんびゅんと耳元で風の音が聞こえるくらい走り、
一回も止まらずにあの坂を登りきった私は、膝に手を
ついて息を整える。
でも、自然と苦しくない。
たぶんそれは、芸能人だからとかそんなんじゃなく
て、好きな人に会えるから。
ただ、それだけ…。
私はゆっくりと楓士雄くん…いや、壱馬くんがいつも
いる場所に歩いて行く。
だけど、そこには彼の姿は無かった…。
「い…いない…？」
彼はいつも私より早く来ていて、お疲れって微笑んで
振り返る。
そこに駆け寄って、人一人分のスペースを空けて座る
の。
それで今日あったことや、たわいもない話をして彼の
タイムアウトの時間まで、目の前の景色を眺めながら
話すんだ。
それなのに…、彼はそこにいなかった。
もしかしたら、この前みたいに遅れて来るのかもしれ
ない！
司くん…ううん、北人くんも都合がつかなくて伝言を
お願いできなかったのかも。
もう少し…、もう少し待ってみよう。
きっと来るはずだから…。
そんな根拠も無い予想をして、自分に言い聞かせるよ
うに、いつもの場所に私は腰掛けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 464人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みそじ(プロフ) - みーさん» コメントありがとうございます！だらだらと長くなっていますが最後までお付き合い頂けると嬉しいです（ ; ; ）その後のストーリーも検討しておきますね！ (2020年2月5日 11時) (
レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すごく素敵なストーリーですね！更新を楽しみにしています！付き合うまでの過程も面白いですが、その後のストーリーとかもあって欲しいなって思います(^^) (2020年2月4日 23時) (レス) id: 2e81ed1e8d (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - ましゅさん» コメントありがとうございます！切ない気持ちになって頂けるのが狙いだったので良かったです！笑 更新遅いですが今後の展開はお楽しみでお願いします（ ; ; ） (2020年1月15日 19時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - ふじおくんとつかさくんの優しさ…主人公ちゃん自分の気持ちに気付いたのに切ないです(;_;)(;_;)もう会えないのかな？(;_;) (2020年1月14日 15時) (レス) id: ad7747e186 (このIDを非表示/違反報告)
みそじ(プロフ) - KKさん» コメントありがとうございます！更新遅くてごめんなさい（ ; ; ）そのお言葉、励みになります！ (2020年1月7日 12時) (レス) id: caa215b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みそじ
| 作成日時：2019年12月28日 15時
