nostalgic

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そんな自分が情けなくて、

惨めに見られるんじゃないかって思うと

怖くて言えなかった。






そんな日々の中、今日も今日とていつもと同じ場所で

ユズと別れようとした時、小学校から一緒で同じクラ

スの子が私たちを追い越そうとしたので声をかけ合

う。






女友「Aとユズ、バイバーイ。」


ユズ「バイバーイ！また明日ね〜！」


「バイバーイ。」





女友「あ、そういえばさっきうちのママがメールで言

ってたけどAんちのパン屋、今日朝からすごい行

列できてるらしいじゃん？」





その子はくるりと振り返って、もちろん知ってるよ

ね？って顔だ。






「えっ…、そうなの？！」



ユズ「めっちゃすごいセールやってるとかっ？！」




女友「いや〜？そういうんじゃないみたいだけ

ど…。」




ユズ「連絡とか来てないのっ？」






そういう時、手伝いなさいとかすぐ連絡をしてくるお

母さんなのに、何も来てない…。






「うん…、なにも…。このままお店覗いてみるよ！教

えてくれてありがと。」







そしてその子とユズとその場で別れて、私は足早にお

店へと向かった。









相変わらず廃れた商店街を歩いていても、やっぱり彼

のことを無意識に探してしまう。




いるわけないのに…。









やっとうちのお店が見えて来た時、案の定な光景に私

はその場で立ち止まってしまった。






「うそでしょ…。」






その光景は、お店の出入り口が見えないほどの女性の

お客さんが行列を成していたのだ。






なんで？


どうして？


なにがあったの？







この三つの言葉が脳内リピートする中、なんとか人を

かき分けて店内に入ると、その中も女性で溢れてい

る。









「お母さんっ！」



レジに追われるお母さんの元へ駆け寄り声をかける

と、最近聞くことがなかったゲッソリした声で、






母「あぁ！良かった、来てくれて。もうメールもでき

ないくらい忙しくて…。」




会話の途中でも、ありがとうございました〜！と笑顔

でお客さんを送り出している姿を見て、事情を聞くの

は後にしようと決めた。








「着替えてくる。」




母「えっ？」




「手伝うって意味。一人じゃ大変でしょ。」






お父さんとのこともあり、なんだかぶっきらぼうな言

い方になってしまったけど、お母さんは笑顔でありが

とうと言ってくれた。

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