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26 寝不足イベント ページ26

禊の目の下の、元々あった隈が一層濃くなっていた。
「あ゙〜…レポート…。今まで嫌好が勝手に手伝ってたけど、自力でやるとこんなに大変なのか…。」
 重い瞼を擦り、どうにか上にあげる。
「目玉が落ちそう…。」
 不安定な足取りで学校へ行く。
 あくびが止まらない。あまりにも大きなあくびで、顎が外れそうなほど。
「あー…。」
 言葉が禊を見つける。
「禊さん!」
「あー、はよ。玉前。」
 眩しい言葉の顔が沈んでいく。
「…大丈夫ですか?」
「まあ、な。レポートが…ハハ。」
「フラっフラじゃないですか!!」
「あぁ、うん…。とりあえず胃が痛い…。」
 禊はおぼつかない足取りで、教室に入る。
 授業中、禊は爆睡だった。
「ちょ、禊さん…!起きて!ほら、教授こっち見てる…!」
 言葉は小声で呼びかける。
 昼休み。眠い目を擦って、残りちょっとのレポートを仕上げる。
「あと、五文字…四文字…三…二…!」
 最後の一文字を書いた瞬間の快感。
 禊は椅子に反り返ったまま寝る。
「…グハッ!」
 午後の授業を思い出して飛び起きる。
「トイレ…。」
「禊さん!そっち女子トイレ!」
 言葉が男子トイレの方へ禊の背を押す。
 今日の授業が全て終わり、教授の元へレポートを提出する。
「終わったぁぁ…!」
「お疲れ様です!」
「あの教授大嫌いなんだよ…小言以前に顔怖いし、怖いし、プレッシャーなどで胃が痛い…!」
「きゅ、休憩しましょう?」
 言葉と禊は少し歩いたところの公園に入る。
 時間帯だからか、人が少なかった。ベンチに座り、ペットボトルの水を飲む。
「ッハァァ!!」
「水、お好きなんですか?いつも飲んでいらっしゃいますけど。」
「まあな。太らないし、後味悪くないし。」
 言葉は嬉しそうにほほ笑む。
「髪、梳かさなかったのですか?」
「朝ギリギリまで寝てたから…。」
 禊は恥ずかしそうに笑う。
 言葉は手を伸ばし、禊の髪を梳かす。禊は恥ずかしそうに目を逸らす。
 気持ちよかったのか、ウトウトし始める。体がゆっくり倒れ、言葉の膝に頭が落下する。
「ひゃぁ!?」
 禊は寝息を立てる。
「…しばらく、このままにしておきましょ。」
 言葉は禊の寝癖だらけの頭を撫でる。

「それじゃ。」
「えぇ、また今度。」
 言葉は禊に手を振り、別れる。
「いやぁ、スッキリした。膝枕…ムフフ。」
「禊さんが!私の!膝枕!Oh year!!!!」
 言葉は全力でガッツポーズをする。

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作者名:聖 永遠/作者 字 | 作成日時:2016年5月1日 4時

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