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困ったように相槌を挟む彼の言葉を遮るように、ぽつりと呟く。「チケット代、私が立て替えてたから(笑) それだけが救い…」
「……だから」
「え？」
「だから今日、ため息ついてたの？」
「え、…え、嘘、聞こえてたの？」
「ん(笑) すごいため息ついてんなこの人、って思ってた(笑)」
「わー…」
「それは気分悪かったでしょ…ごめんね」そう謝ったら、「いや？暇なのかなって思ったし」って。けれどその先に、でも、って言葉が続く。
「話しかけてみよっかな、って思ったら、めっちゃ怪訝な顔された(笑)」
「んん、それもごめん…(笑)」
ゆる、と視線を逸らしながら謝れば、ふ、と軽く空気を震わせる音。…うん、そうだよ、不信感丸出しだったもん。今考えてみたら、本当に申し訳なくなる。
「まー…でも、なるほどね」
こぼれたように慎太郎くんが呟いた。あごに手を当てて、何かを考え込む仕草。
「…Aちゃんさ。まだ "そいつ" のこと好き？」
「え？」
急な質問に、一瞬、思考が止まる。
「…どうしたの(笑) そんなこと、」
「好き？」
「…えー……(笑)」
まっすぐに飛ばされる言葉に、じわりと頭が冷えていく。
笑えてるかな。…笑えてると、いいけど。
「……長かったから、ね。でも…どうだろ」
"彼" の顔は簡単に浮かぶ。
…だって、4年だ。4年、一緒にいた。
「好きだよ」ってすぐに答えられない時点でそれは、情なのかもしれない。けれど、「好きじゃない」って割り切れるほど、単純でもない。
眉を下げて答えを濁せば慎太郎くんは、む、と口を一文字に引き結ぶ。
「…わかった。じゃあ聞き方変える」
「うん？」
「"そいつ" のこと、忘れたい？」
「…」
自分の目が、ぐう、と開かれるのがわかった。
「忘れたい？」なんて、そんなの。
「……忘れたいよ」
目を伏せて、言葉を落とした。
── と、慎太郎くんが突拍子もない明るさで、「よかった！！」って一言。 …え、 "よかった" ってなに？話の飛び方についていけなくて、ぽかん、と口が開く。
けれど次の瞬間に落とされた爆弾に、…慎太郎くんの頭がおかしくなった、と思うしかなかった。
「Aちゃん」
「うん？」
「俺と付き合おう？」
「…………ん？」
思考が、完全に止まった。
「…え？なに、……え？」
「はは、パニック(笑)」
ケラケラと笑う彼に頭がついていかない。なに笑ってんだ、この人。
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みそ(プロフ) - ひよりさん» ありがとうございます。楽しんでいただけたならよかったです🙇♀️💚 (2022年5月31日 13時) (
レス) id: 4d278d62fc (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - めちゃめちゃにきゅんきゅんさせて貰いました🤍最高でした😍 (2022年5月29日 23時) (レス) @page24 id: 67c39a707a (このIDを非表示/違反報告)
miso(プロフ) - UwUさん» すいません、変換できないようになっていたので直しました💦教えて下さってありがとうございます…！！！！ (2022年4月12日 21時) (レス) id: ecadc79423 (このIDを非表示/違反報告)
UwU - 25の松村さんのセリフ「元の名字」ってどういうことでしょうか？？ (2022年4月12日 0時) (レス) @page25 id: aca0757d01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそ
| 作成日時：2022年1月15日 22時
