2.凍てついた月 ページ9
「…賑やかな場所」
エルは、自己紹介が終わり、解散になるとエレのガイドに従い自室となる部屋にやって来た。上からは星を閉じ込めたようなランプが垂れ下がっており、灯りはたったそれだけだった。暗がりだからかもしれないが、周りは青い石で構成されているようだ。ベットはもちろん、ふわふわなのだが。
「それで兄さん、どうしてまだ此処にいるの」
「エルの顔を見てたくて」
エレはにっこりと微笑んだ。だが、ベッドに座るエルはそれを鬱陶しいと言うように、顔を大きく横に逸らすとまた口を開く。
「まだ言いたい事があるの…?」
「その通り、と言えばそうだねぇ…」
顔を見てたいと言うのは本当なのだが、と言いたそうに口をごにょごにょさせている兄に、妹はため息を吐いた。
「このフロアの中央の人工月が、一段と輝いた時に食堂に集合ね。皆んなで食事みたいだよ。後、香月が呼んでたから、行ってみて」
エレは、そう言い残すとエルの解答も聞かずに、コツコツと良い音をさせながら部屋から出て行ってしまった。
それにしても、断罪人が呼んでいると言うことは…何か悪い事をしたのだろうかと、エルは一瞬硬直するが、本日何度目になるか分からない、ため息をつく。とりあえず行ってみよう、とエルはベッドから飛び降りると、早足に外へ出た。
「香月…さん」
「香月で良い。行くぞ」
断罪人が目の前に立っていた。思わず呼び捨てしそうになるエルを、香月は呼び捨てでいいと無表情で言い放つと、早足で歩き始める。
とてもあの長身のペースには着いていけない、とエルは数歩遅れてやっと着いて行くが、それに気づいた香月は、歩幅を小さくしてくれた。
「(この人…優しい?)」
エルは心の中で、そんな事を考えていた
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8
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作者名:Frange | 作成日時:2017年9月4日 17時