1.純白の罪人 ページ3
どうして見つかってしまった?
返り血のついてしまった白いぶかぶかのパーカーを肩にかけ、噂の連続殺人犯のエル・クローチェは傷と泥に汚れた顔を拭う事もせず、炎に巻かれる街を駆け抜けていた。
防犯カメラも、人目もあそこには存在しなかったはず。なのに…どうして断罪人に見つかってしまった?
「見つけたよ、エル」
「っ…!」
必死で走っていて気づかなかった。
エルはいつの間にか数人の断罪人に囲まれてしまっていたのだ。
「どうして…どうして私の場所がわかった?確かにあそこで巻いたはず…」
「さぁね。君にはまだ分からないよ。まだ、ね」
エルと非常に似た容姿をした黒い男は、肩を大きく上下に動かしながら薄く笑ってみせた。
笑うほどの余裕があるのか…?いや、きっとこの状況が厳しいから強がりで笑っているのだ。エルはそう考えた。あいつが余裕なら、なぜ私に余裕がないのか、と悔しくなってしまうからそう思うしかなかったのだ。
「こうなったら…!」
ジリジリと詰め寄ってくる断罪人たちに、一瞬の戦慄を背筋に覚えたエルは、咄嗟に背負っていた見る者誰もが恐れるエルの象徴…血で染めたような巨大な鎌を片手に持つと、膝を深々と折り曲げる。
笑顔な人間以外殺す主義はないが、と心でため息を吐くとこの状況を打破すべく、一気に膝に溜めていた力を吐き出すように前へ足を進める。
高速で風をきるエルにの体は、ドンドンと目の前の黒い人影に近づいていく
「させねぇよ」
キラリと瞬く一筋の光がエルの目に映りこむ。黒い影が一瞬、白く変わったのだ。
その輝きの元が刃だと気付いた時、エルの頬に鋭い痛みが走った。白く細やかな肌に赤い血が涙のように伝っていく。
キィン………
痛みを感知したエルは鎌を大きく横に振りかぶると、白銀の刃を弾き返す。その瞬間、鋭い金属音が辺り一帯に木霊した。
地面に着地したエルは、そのまま横に滑らせた鎌を上に振り上げると、赤い軌道を描くようにそのまま下に振り下ろす。地面などたやすく裂いてしまうような勢いだ。
「今だ!皆で確保しろ!」
「何…!」
刃でエルの重々しい攻撃を受け止めた男は、カタカタと手を震わしながら大声を上げる。
両手で武器を振り上げるエルの体は隙だらけだった。エルは、咄嗟の判断で渾身の力で相手の刃を弾き飛ばすと、下に鎌を叩きつけた。
辺りに砂煙が舞う。
「今」
舞った砂煙に合わせてエルは後方へ駆け出した。
火と爆風で目の前も見えないまま
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
香月の刀
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーキャラ
佐波 瑠衣
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Frange | 作成日時:2017年9月4日 17時