なんか原作進む毎に平凡からかけ離れてる気がするのは気のせいではないはずだ〜僕は三浦ハル〜

この世界の未来 ページ46

雪が降る住宅地。
いや、雪なんてものじゃない。吹雪だ。
一見して、冬なのかと錯覚してしまうが、
電光掲示板に表示される日付は3月17日。
春の初めなのに、何故雪が降るのか。
考える暇もなく、映像が切り替わる。
『例年以上の猛暑日、地球温暖化の影響か？』
そんな内容が、新聞の一面を飾っていた。
最高記録を突破したらしい。
真夏なのか？いや、これも日付を見ると4月6日の事だ。

「……何、これ」

暗い空間で、少女がぽつりと呟く。
テレビでは、キャスターが無表情で淡々とニュースを告げていた。
どうやら連日猛暑日が続き、氷河が溶けているらしい。
また映像が切り替わり、今度は嵐でも来てるのかと思う程の猛烈な雨が降っていた。
道は雨水で溢れ、浅い川や海は洪水を起こして、周りの人々を拐っていく。
人々の悲鳴、近くで聞こえる雷鳴、雨が地面を穿つ音。

「……何なの、これ…この映像……」

また少女は呟く。
少女は黒い空間にぽつんと立っていた。
すると、闇がうごめいた。
赤い何かが現れ、少女に向く。それは、目だった。

＿＿＿この世界の未来＿＿＿

それは簡潔に言った。
しかし、その答えに少女は困惑した顔をした。

「未来？これが…この世界の、未来？」

今少女が見ている映像は、人が日照りに苦しみ、飢え、争いが多発している映像だった。

＿＿＿正しくは、貴女が為すべき事を為さなかった場合の、未来です＿＿＿

「君は？」

＿＿＿貴女の能力
そして本来貴女になるはずだった意識です＿＿＿

目は瞬きもせずに答える。
よく見ると、その目は蛇の目に似ていた。
いや、蛇なんだろう。
地を滑る様に進み、少女の近くに現れる。
黒い蛇だった。目は赤く、時折見える紫の舌。
しかし、怖いという感情はおきない。
不思議な蛇だった。

＿＿＿貴女と弟さんが巻き込まれた時、
選ばれたのは弟さんでした＿＿＿

「……総悟」

少女は寂しそうに目を伏せる。
もう会えない、愛おしい弟を想って。

＿＿＿誰かが『あの世界』に干渉し、
貴女の魂を引っ張り出したんです＿＿＿

少女は顔をしかめた。そんな化け物じみたマネが出来る知り合いがいるのだ。

＿＿＿貴女と弟さんで能力を分け合い、
貴女はこの世界に生まれてきました＿＿＿

「能力…」

＿＿＿時間がかかったけど、ちゃんと見えたんですね
本来能力を使うと目が赤くなりますけど、貴女は元々紅い目なので気付かなかったんですよ＿＿＿

信じたくない未来(内容変更済)→←最初から

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