chapter2 紙とペンを持ちなさい ページ9
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Ａあの後部屋に案内された少女は、外套を脱ぎ服を軽く整えて部屋を出た。扉のすぐ横にはシャオロンが壁に寄りかかりながら待機していた。
「お、もうええか？」
「はい、待って下さりありがとうございます」
「ええてええて。それじゃ行こか」
Ａわしゃわしゃと力強く頭を撫でられた少女は、少し困惑しながらも緩む口を隠すように手を当てた。隠しきれてないその笑顔に、シャオロンの中の開いてはいけない扉が開きかけた気がした。しかし、そこでふと不安になった。あのギャップの激しい男のことが。
(アイツにこの子会わせたら…………やばい！うちから犯罪者が出るかもしれん！)
Ａ一人で顔を青ざめているシャオロンに少女は首を傾げる。どうしたのかと呼び掛けてみると、唐突に肩を掴んできた。
「ええかエルリカちゃん。ヘルメット被った眠たげな目をした男がいたらすぐに逃げるんや。ええな？」
Ａ鬼気迫る表情でそう言うシャオロンに、少女は戸惑いながらも「は、はい」と答えた。正直その人が誰だか分からないのだが、こんな顔されながら言われたら断れる訳ない。
Ａ少女の返事を聞いたシャオロンは、安心したと言わんばかりに息を吐き「すまんな」と言って苦笑いしながら肩から手を離した。
「ほな行こか」
「ところでどちらに向かわれるのですか？」
「ああ言ってなかったな。エーミールの家になりつつある図書室や」
「きっと色んな意味でびっくりすると思うで」
Ａ今回の目的地はエーミールの管理する図書室。シャオロン曰く「図書室って言うより図書館の方があってる気ぃするけどな、あの量は」らしい。本が好きな少女は、図書室という単語を聞いただけでワクワクする気持ちをそっと抑えた。
「執務室も併設されてるからや。だから一日の約八割はあそこに居る。部屋用意されてんのにあそこで寝泊まりもするからなアイツ」
「それだけ居心地がいいんでしょうか?」
「さあ?俺には分からんわ。
ただ本読む奴ら曰く落ち着くんだと」
「ふふ、本はいいですよシャオロン様。自分の世界が広がる気がしますわ」
「ならもうちょっと挿絵多くしてくれ……」
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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます！ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (2020年4月17日 19時) (
レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました！笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました！ 更新頑張ってください。応援してます！ (2020年4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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