chapter5 素敵なものでできてるの ページ20
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─ 女の子は何でできてるの? ── 砂糖とスパイス それと素敵な何か ─
by. Whats the Little Boy Made of?
「社交界に?」
エーミールの元で講義を受けていた少女は、エーミールから言われた言葉に疑問符を浮かべていた。何故、今になって?と。
「グルッペンさんが参加するようにと。社交界と言っても小さなもので、パーティーの様なものですけどね」
「という事で、主催者 参加者全ての人の顔、名前、経歴を覚えましょう!少ないのできっとすぐ覚えられますよ!」
笑顔で言うことじゃない。
それから急遽始まった社交界マナー講座。この国の歴史や世界史を学ぶ中、主催者や参加者の名前と顔、主な経歴を覚える事が追加され、銃を握るための筋トレがダンスレッスンになり、と、目が回る毎日を過ごしながら、少女はその全てをこなしていった。
シャオロンは途中で差し入れをしに来たり、コネシマは参加者の中で余り関わらない方がいい人物を教えていた。ゾムは構って欲しそうに此方を見てはエーミールや鬱に悪戯したり、ロボロは背丈の関係上、練習中のパートナーとして抜擢されたりと、幹部らそれぞれが少女のレッスンを手伝って(?)いた。
「いやぁまだ教えて5日ですけど、飲み込み早くて教え甲斐があるなぁ。どんどん高度なものを教えたくなる」
目を爛々と輝かせ、ニコニコと笑顔で教材を片付けていく。周りには花が舞っていそうな(実際は花ではなく蝶だが)彼に「お手柔らかにお願いしますわ……」と少女は苦笑いを零した。
「あ、そう言えば今日やろ?マンちゃん帰ってくるのって」
「確か夕方以降になる言ってたなぁ」
喫煙所から帰ってきた鬱は、近くに置いてあった椅子に座り思い出したようにそう言った。エーミールも同調して”マンちゃん”が帰ってくる時刻を確認する。空はオレンジの色紙を貼り付けたかのように朱くなっていた。
「グルッペンの姪、ねぇ」
黒の高級車の中で、男は自分宛の一通の手紙と、
それに同封された写真を見る。
その手紙には馴染みのある名前と、
姓名以外は初耳の名前が並んでいた。
男は車内から見える城を一瞥して、
ゆるりと口角を上げる。
「んふふ、楽しみやわぁ」
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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (2020年4月17日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました!笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました! 更新頑張ってください。応援してます! (2020年4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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