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黄昏 ページ20

20.黄昏







部屋に蜜色の光が差してくる。







「兼さん、手入れ部屋で大人しくしてるみたいです」

「そっか」







霊力の使いすぎで身体の節々が痛い。正直座っているのも辛かった。







でも片付けないといけない仕事がまだ残っている。







「…」

「主さん?…大丈夫ですか?」

「あぁ、うん。へーき」







煙草を懐から取り出そうとして、指先に力が入らず落としてしまう。







それを拾おうとして重なった私と国広の手。







「震えてるよ国広」

「主さんこそ」







ふっと、表情が緩んだ。







「主さん」

「何?国広」

「ぎゅってしても、いいですか」







私は黙って両腕を広げた。







国広の鼓動。







呼吸。







「兼さんが、あの黒い霧に取り込まれた時。すごく怖かったんです」

「うん」

「また兼さんと離れ離れになっちゃうんじゃって…そのまま会えなくなっちゃうんじゃないかって。やっとここで兼さんに再会できたのに」

「うん」

「…馬鹿です、僕は。主さんがそんなこと許すはずないのに。僕らを世界1愛してくれる主さんが」

「当たり前じゃん」

「ふふっ、そうですよね」







国広が私の肩に額を押し付けた。







「…どこにも行かないでください。ずっと、僕らの主でいてください」







国広の腕に力がこもった。私はちょっと笑って答える。







「それはどうだろ」

「ええ!?」

「だって、人はいつ死ぬか分からない。みんながずっと若々しいままでいる間に私はしわくちゃのおばあちゃんになっていく。もしかしたら病気で若くして死ぬかもしれない」







それでも、だからこそ。思うのだ。







「美しく散っていきたい。自分の人生に後悔は残したくない。いま自分にできることを精一杯やるよ。私、みんなのためなら何だってできるんだから」







その日、黄昏時の部屋の中で、私は震える国広の背中をさすり続けていた。

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切れかけミサンガ(プロフ) - 孤縷さん» うわっ本当だバカがバレてますね…ご指摘ありがとうございます、他にも何かあれば仰ってください! (2018年1月29日 19時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
孤縷 - あの…15ページで、1日に10本なら1ヵ月では300本ではないでしょうか。一年でも3600本になりますし。なんか偉そうにすみません。続編でも頑張ってください! (2018年1月29日 16時) (レス) id: 6e76e80232 (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - *posu*polejumpさん» 有難うございます!少しだけお待ちください_(:3 」∠)_ (2018年1月29日 6時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
*posu*polejump(プロフ) - 続編頑張ってください!! (2018年1月28日 18時) (レス) id: 43ac6ebefc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:切れかけミサンガ | 作成日時:2017年12月27日 11時

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