事後 ページ14
14.事後
翌朝。
「おい審神者ぁ!」
「んあ、戻ってたの」
「戻ってたの、じゃねぇよ!」
俺の剣幕もよそに、審神者は紫煙をぷかりと浮かべた。
「どうしたの兼さん、そんなに怒って」
「どうしたもこうしたも、この女が鶴丸をけしかけて城下の色町に…!」
「もうバレたか」
「てんめぇええええ!!」
「ダメだよ兼さん、主さんにそんな口のきき方…」
「お前は黙ってろ!」
国広を遮って、俺は審神者に詰め寄る。
「どういうつもりだ」
この本丸では色が許されている、というのは昨夜鶴丸に聞いた話だ。
というか放任主義。
問題を起こさない、事前に伝えた時間には帰ってくる、小遣いの範囲で。それさえ守っていれば何をしてもお咎めなし。呆れた話だ。
鉄の掟で隊士たちをまとめていた土方さんとは大違いだ。
「言ったでしょ、あんた達は人間なんだから。楽しいこと、悲しいこと、全部経験しとかなきゃ損だよ」
煙を吐いて、彼女は笑った。
「人なんて所詮動物。行き着く先はみんな一緒。本能には抗えないってこと、あんたの頭でも分かったでしょ」
「なっ…」
俺は昨夜のことを思い出して、顔に熱が集まるのを感じた。
国広が「兼さんのそんな話聞きたくない!」と耳を塞ぐ。
「ばっお前…俺はなァ!!」
「そーいえば」
審神者が煙草の先で俺たちを交互に指し示しながら言った。
「土方歳三も相当女好きだったらしいし、あんたらも気をつけなよ」
「俺はそんなんじゃねぇ!」
「僕もです!」
勢い込む俺たちの様子に、審神者はケラケラ笑っていた。
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切れかけミサンガ(プロフ) - 孤縷さん» うわっ本当だバカがバレてますね…ご指摘ありがとうございます、他にも何かあれば仰ってください! (2018年1月29日 19時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
孤縷 - あの…15ページで、1日に10本なら1ヵ月では300本ではないでしょうか。一年でも3600本になりますし。なんか偉そうにすみません。続編でも頑張ってください! (2018年1月29日 16時) (レス) id: 6e76e80232 (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - *posu*polejumpさん» 有難うございます!少しだけお待ちください_(:3 」∠)_ (2018年1月29日 6時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
*posu*polejump(プロフ) - 続編頑張ってください!! (2018年1月28日 18時) (レス) id: 43ac6ebefc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切れかけミサンガ | 作成日時:2017年12月27日 11時