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「…う……」





目を覚ました瞬間に、あぁまだ生きているのだと。そう思った。




どうなったんだっけ。




F21は…あぁそうだ、投降したんだ。事実上の敗北。




起き上がろうとして、脇腹に鋭く深い痛みを感じた。思わず呻き声を上げると、こちらに駆け寄ってくる足音が耳に入る。





「あ、まだ寝ててください。傷口開いちゃいますよ」





まだ陽の光に対応しきらない視界に飛び込んできたのは、太陽よりも眩しい光を放つ焦げ茶色の瞳だった。




もちろん太陽よりも眩しい云々は比喩表現だ。




だが思わずそう例えたくなるほどに彼女の瞳はきらきらと輝き、その見えない光は俺へと降り注いでいた。





「体調はどうですか?白濱さん」
「なんで…俺の名前」
「あ、すみません、携帯されていた身分証で……患者さんのお名前は覚えておかないとと思って。私はAREA X0で外科医をしています、衛生班所属の蓮見Aと言います」





AREA X0の医者。つまり…





「ここはX0の…病院?」
「はい。領土戦争が一旦集結した後に、戦場で貴方が虫の息でいるところをちょうど私が見つけて。あと1時間あのままだったら危なかったですよ」
「…俺は君たちの敵だけど」





挑むような気持ちで彼女を見上げる。
Aと名乗った医者は、なんの躊躇いもなく微笑んでみせた。



美しい笑顔だった。





「医者に敵も味方もありません。目の前の命を救う。それだけです」

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かな - 続き楽しみです! (2020年10月10日 22時) (レス) id: 95ffd40df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこた | 作成日時:2020年9月17日 3時

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