【ハリーポッター】エルシャール家の愛し娘は -5- (ページ8)

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ストーリー -194- ページ8

朝、湿った冷たい空気が布団から出ている肌に刺さり、ベッドから起き上がるのが辛くなる。

十月がやってきた。

校医のマダム・ポンフリーは急激に風邪が流行しだして大忙しにしていた。

マダム特製の「元気爆発薬」は風邪に対してすぐに効いた。

だが、副作用としてそれを飲むと数時間は耳から煙を出し続けることになってしまうため、ミサキは飲まないように体調管理を気を付けていた。

ジニーはこの頃ずっと具合が悪そうで、パーシーに無理やり薬を飲まされていた。

十月に入る少し前くらいから、ミサキはファンクラブの話を聞くことがなくなった。

また、ミサキの方を見て騒がれることが減り、それと反比例して他寮・他学年関係なく話しかけられることが増えていた。

それもこれも、-みんなに伝えます-とあの日話していた三人のおかげだけとミサキは思っていた。

だが、アンジェリーナが言うにはフレッドとジョージも動いていたようで二人にミサキはお礼を伝えたが、二人は特に何もしていないと言った様子でいたが、今度一度だけいたずらを見逃してほしいと言ってきたため、ミサキは笑ってそれを却下した。

ハグリッドの育てている巨大かぼちゃの大きさはちょっとしたもの小屋と同じくらいの大きさになっていた。

妙に大きくなったものだと窓のへりに腰がけ、眺める。

大きな雨粒が窓にぶつかり、湖は水かさが増えていた。

ハーマイオニーがミサキのそばにクッションを置いて座り、ロックハートの著書を読んでいる。

「ハリーたち、こんな雨の中で練習だなんて…風邪ひくんじゃないかしら」

かけていたブランケットを体にかけなおしながら言うとハーマイオニーは-少なくとも楽しめてはないでしょうね-と本から目をそらさずに言った。

「それがキャプテンの圧力で風邪をひきたくても引けないんですよ」

声のした方を向けば、フレッドが他の選手たちに手をあげて挨拶をするとミサキの方へ向かって歩いた。

-ジョージは？-と聞けば-たまには別行動したいと思ってね-とミサキのそばの壁に寄りかかった。

寒かったと腕を組んでさすりながらミサキに詰めるように言ってブランケットをめくり、そこへ座った。

その時、ミサキの顔にフレッドの髪のしずくが飛んだ。

「その濡れた髪、多少は拭いた方がいいと思うのだけど」

指をさして言うとフレッドはにやりと笑った。