【ハリーポッター】エルシャール家の愛し娘は -5- (ページ14)

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ストーリー -200- ページ14

扉を閉めても中からペチャクチャというおしゃべりが漏れ出てくる。

廊下の壁によりかかって一息つくと、フレッドもズボンのポケットに手を突っ込みながらすぐ隣によりかかった。

「本当調子乗りすぎたね、さすがに盛りすぎちゃった」

笑いながらも珍しく自ら反省しているフレッド。

「私も残すなんてことは絶対にしたくなかったから頑張りすぎちゃった。もうしばらくは食べなくても生きていける気がするもの」

自分でも言いすぎだと思ったときには遅くて、隣からクスクスと必死に抑えようとしているのに漏れている笑い声。

「なに、その反応！」

「いや、だって…ふはっ！」

耐えきれなくなってフレッドは必死に押さえていた口から笑いをこぼし、ミサキに背中を思いっきり叩かれる。

「そんなに笑わなくてもいいじゃない！酷いわ、フレッド！」

「ハ、ハニーが…そんなこと言うなんて…！」

大きな声で笑うフレッドに最初はむかついた気持ちが、徐々につられて笑いだしてしまう。

黒い蝋燭の灯りの下で照らされた彼の横顔は整っていて、顔をくしゃっとさせながら笑っている。

ほの暗い廊下の中、彼の顔だけがはっきりと見える。

≪ねえ、来てよ…≫

突然、頭に響いた声。

どこから聞こえたのか耳を澄ましてみる。

≪ミサキ、来て…こっちに来て…≫

優しくも冷たい声。

自分の名前を呼ばれたことに恐ろしさを感じる。

フレッドの顔を見るが、彼は不思議そうに首を傾げた。

きっと聞こえていないのだろう。

何とも言えない気持ち悪さ。

よくわからない寒気に襲われる。

「ね、ねえ、なんだか少し寒くない？もう中に戻ろうよ」

「そう？寒くはないけど、そろそろ戻ろうか」

不思議そうにしながらも伸びをすると、フレッドは大広間の扉を開けて中へエスコートした。

何気なく窓の外を見ると、雨が降り出していた。