【ハリーポッター】エルシャール家の愛し娘は -2- (ページ43)

今日:33 hit、昨日:12 hit、合計:245,522 hit

ストーリー -84- ページ43

目を覚ました時にはもう朝だった。

もう胸の苦しさも喉の痛さもなかった。

朝食後、ミサキは昨日何があったのか先に話を聞いていたロンと共にハリーとハーマイオニーを問いただした。

すると3人は恐る恐る誰もいないのを確認すると話し出した。

その話を聞いただけでミサキは背中にゾクッとした気持ちの悪い感覚に襲われた。

そして自分の感じたあの苦しさとなにか関係でもあったのか、そんな考えが深い胸の奥底に刻まれた。

時間はあっという間に過ぎ、遂に全校生徒の望んでいないあの日がやってきた。

そう、テストだ。

うだるような暑さの中、筆記試験の大教室は嫌になるほど暑かった。

試験用にカンニング防止の魔法がかけられた羽ペンが配られたが近くの生徒から舌打ちする音が聞こえた。

どうにもカンニングしようとしていたらしい。

ミサキはため息が出た。

実技試験もあった。

フリットウィックは生徒を1人ずつ教室に呼ぶ。

その間、生徒達は何も喋らず待機する。

どうにもその空間が重苦しく息苦しく、ミサキは早くテストを終わらせたい気持ちでいっぱいになった。

「次、ミサキ・エルシャール。」

「はい!」

大きく返事をして中に入ると机の上にパイナップルが乗せられていた。

「そのパイナップルをタップダンスで端から端に動かしてください。」

「分かりました。」

教室にはフリットウィックとミサキだけ。

少し緊張しながらも大きく深呼吸し、ミサキは杖を振った。

するとパイナップルからすらっとした綺麗な足が生え、見事なタップダンスを披露しながら端まで移動した。

フリットウィックはそれを真剣に見つめ、終えると紙に何かを書くとミサキに渡した。

「それを持って次の部屋へ行くように。」

そう言うとフリットウィックは杖を振り、本棚をドアへと変化させた。

少し驚きながらも-ありがとうございました-とお辞儀をするとミサキは部屋を出ていった。