【ハリーポッター】エルシャール家の愛し娘は -2- (ページ40)

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ストーリー -81- ページ40

「あ〜、3人とも…今日も張り詰めすぎないでね…?」

返答を返さずにハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は談話室の片隅で互いに話すことも無く、ただ試験勉強に没頭していた。

誰もその姿を気に止めておらず、3人もそうしている事で少しは惨めさを忘れられているようだった。

ミサキも一応その3人と共に座って勉強をしていたがいつもの騒がしい3人ではなく、ただ静かに黙々と勉強している3人にどうしても耐えきれず、先に戻ることにした。

試験を一週間後に控えたある日の午後、ミサキとハリーは図書館から帰ろうと肩を並べて歩いていた。

すると突然ミサキのネックレスが振動した。

久しぶりのことにびっくりして足を止めるとハリーも足を止めた。

そしてゆっくりと教室の入口に近寄った。

「どうしたの?」

ミサキがそう聞くとハリーは口元に指を持っていき、静かにと小さく呟いた。

すると誰かの小さな鳴き声が聞こえ、ミサキはゆっくりとハリーの隣に近寄ると同じように耳を傾けた。

「ダメです…ダメ…もうどうぞお許しを…」

その声はクィレルの声で誰かに脅されているようだった。

ハリーは耳をドアに当てた。

「分かりました……分かりましたよ…」

そう聞こえたと思うと前のドアから勢いよくクィレルが飛び出し、曲がったターバンを直しながら教室を急ぎ足で出てきた。

クィレルは一切2人に見向きもせずに去っていった。

蒼白な顔をして痛そうにおでこを触り、今にも泣き出しそうだった。

クィレルが離れていくとネックレスは振動をやめた。

まとわりつくような嫌な寒気をミサキは感じた。

ハリーを見るとハリーは既に教室を覗いていた。

そしてミサキに振り向くと真剣な顔で見つめた。

「ミサキ、すぐに2人のところへ戻ろう。」

大きく縦に首を動かせば、2人は大股で急いで図書館へと戻った。

ハーマイオニーとロンは二人で天文学の復習をしているところだった。

ミサキは一度2人の手を休まさせるとハリーが代表して今見聞きした出来事全てを2人に話した。