B4-5 ページ14
亀裂の中を抜け、エレベーターの前にあった池に向かう途中、ずっと無言だったAに、突然話しかけられた。
「ねぇ」
「ん？」
「僕のこと、こわくないの？」
「こわい？こわくはないかな」
さっきも似たようなこと聞かなかったかと思いながらも、ショッピは答える。なぜだか、初めて対峙した時と比べると、Aへの恐怖心は嘘みたいに消えていた。
寧ろ逆に、今生きていることが不意に怖くなることの方が多かった。
(疲れてるんかな…俺…)
もうかなりこのビルに毒されている。でも、いつだって気を抜けない状況に、ウンザリしていることは確かだ。
「……3人くらい前かな…生贄の女の人が、同じこと言ってたから…ちょっと気になった」
Aはショッピを無視して、少し思い出すように黙り込んだ後、何気ない話をするように、その時のことを話し始めた。
△▼
______その人は、甘い声の女性だった気がする
『あら！可愛いわね』
『かわ…いい？こわくないの？』
『えぇ、こわくないわよ』
優しく笑うその人が珍しくて、Aはつい後ろを着いて歩いたことを覚えている。まるで、普通の子供に向ける眼差しに、嬉しくなったのかもしれない。
でも、何気なくその白い手を掴んだ時、その女性は金切り声を上げ、Aに向けて汚い言葉を投げかけた。
『触らないで！！やめてよ！！！』
『っ……嘘つき…！こわくないって言った…！』
『馬鹿じゃないの！？あんたに殺されたくないからそう言ったのよ！！______この化け物！！！』
酷く幼稚で、たいした罵声にもならないそれは、まだ成熟していないAの心を傷付けるには、十分すぎる一言だった______
「僕は嘘が嫌いだから、少し殴って、ディケンズのフロアに投げ入れたの」
むしゃくしゃし過ぎて、気持ち悪すぎて、殺す気にもなれなかった。池の前に着くと同時に、その話が終わる。ショッピは無言のまま、しばらく立ち尽くした。
「…それは、俺になにか関係あるん？」
「…へ？」
なんてことない、涼しい顔をしたショッピは、ポカンっと口を開けるAに向けて、少し悩むような仕草をしたあと、いたって大真面目に答えた。
「その手順を踏めば、殺されんの？」
「…なにいってるの？」
明らかまともではないその反応に、Aはショッピに向けて怪訝な顔を浮かべた。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
