B4-4 ページ13
ショッピは手始めに自分の履歴書を手に取るが、何故か文字が滲んだように見えて、一切読み込めなかった。疲れているのか、それとも……嫌な予感を払拭するように、頭を左右に振る。
次に、Aのものらしい履歴書を手に取り、恐る恐る文字を目で追う。次は問題なく読むことができ、ショッピは小さく安堵の息を吐いた。
『A・ガードナー(13〜15？)
戦災孤児
ビルの外での殺害は２、３名ほど
精神的にも身体的にも未成熟である
今後の成長に期待したい
違法の孤児院に在籍していた痕跡あり
売買の可能性も否定できない
施設は後に指摘されるが、その時既にA・ガードナーは行方不明
ある程度教育は受けている様子
体に複数の傷跡あり
生命力が異常に強い
その他・B6の担当だったが、標的に変更済み』
履歴書の左端には、ボロボロでやせ細った子供が、不安げな顔で下を俯いている写真が貼られていた。対するショッピの写真は、白いカーテンをバックに撮られており、そこに写る自分はまだ表情が柔らかく、幸せそうに見える。
「なにかあった？」
黙って履歴書を読んでいると、Aが不意に声をかけてきた。ショッピは手に持っている履歴書を手渡す。
「俺の履歴書と、きみの履歴書」
「…なんて書いてあるの？」
「読めへん？」
「うん」
「それはショッピ・フォスター、俺の名前やね。それでこっちがA・ガードナー」
説明を聞いながら、Aは少しの間黙って自分の履歴書を見つめた。何かを真剣に考え込んでいるような、そんな真剣な顔だった。
「…僕の名前」
「2、3人、外で殺したん？」
「………こわい？」
まるで試すように、あるいは全く興味なさそうに、Aはショッピに尋ねる。
「…………さあ？」
ショッピの返答に、Aは拍子抜けた顔を浮かべる。少しは初めの時みたいに怖がるかと思っていたが、そんなことはなかったらしい。ショッピ自身も慣れたのかもしれないと、どこか他人事のように感じていた。
「…変なの」
「あんたにだけは言われたくないわ」
溜息をつきながら、ショッピは履歴書をカバンにしまう。一番奥まで来たが、履歴書の他にあるのは、壁の前に不自然にある凹みくらいだった。
一度戻って考え直そうと、ショッピはAを連れて、亀裂の外へ足を向けた。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
