レモンとミントとビターズと

○ep.10○ ページ10

sideかなた


「ごめん。俺、ちょっとどうかしてたかも。今日はもう帰るわ。」


『ああ。じゃあ、またな。』


俺の言葉に返事もせず、足早に部屋を出ていくようた。


――"ねぇ、俺らそろそろ会うのやめる？"――


ようちゃんからは絶対出ないと思っていた言葉。


あぁ、またこうやって相手は俺から離れていくのだろうか。


"会うのやめる？"


ようちゃんの言葉が頭に残って離れない。


『なんだよ、それ。』


俺の吐いた独り言は部屋の中に響き渡り、そのまま静かに消えていった。

俺は今、どうしてようたを手放したくないと思っているんだろうか。

スマホを取り出し、連絡を入れる。


『あ、もしもし？今から俺んち来てくんね？』


俺が連絡したのは、


「今から？分かったー。てか、かな今どこにいるの！」


あさひだった。気づくとようたを忘れようとあさひに連絡していた。


『ラブホー。大丈夫。特に何も無かったから』


俺も支度をして足早に家に帰る。

そして、


『あさひ、おせぇよ。』


「えっ、ちょっ、んっ、んん、んぅ、あぁ」


何事も無かったかのように他の男を抱いた身体であさひを抱く。――――

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