レモンとミントとビターズと (ページ9)

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○ep.9○ ページ9

｢ようちゃん、急にどうしたの？｣

疲れてる？なんて言って笑いながら誤魔化される。

『だから！もう、こんなのやめにっ…っ！？んっ、んん、んぅ、んぁ』

話をキスで遮られる。抵抗しようと試みたが、両手はベットに押さえつけられ、体は馬乗りになった彼で身動きがとれない。

｢んっ、はぁ、ちょっと、黙ってろよ、っ｣

いつものキスとは違う、激しくて乱暴なキス。それが心地いいなんて俺はどうかしている。

『んぁ、んんっ、んぅ、ぁぁ、あぁっ、ちょ、まてっ！ぁあっ』

俺の服のボタンに手をかけ、一つ一つ器用に外していく。

『まだっ、風呂入ってないっ、からぁ、いやっ、んっ』

｢別にいいよっ、今日はこのままで｣

カチャカチャとベルトの音が部屋に響く。

俺が身に付けていた衣服なんて、もうほとんど彼に脱がされ、ワイシャツを上に着ているくらいだった。

｢悪いけど、俺今日、余裕ないっ、｣

その言葉と同時に彼のが入ってきたことによる異物感が俺を襲う。

『んっ、んぁ！？まっ、て、いきなりなんて、あっ、ん、むりっ…！』

痛みのあまり、目から涙がこぼれて頬を伝う。

｢ごめん、痛い？でも俺、止まれないっ、はぁっ｣

『へっ？やっ、ちょっと、待っ、ひぁ！あっ、う、ぁ、んっ』

いきなり奥まで快感の波が押し寄せる。

この領域まで来たら俺は気持ちよさと心地良さに抵抗することができない。俺は彼にただ身を委ねる。

｢あれ？ようちゃん、泣いてるの？｣

そう言って、彼は俺の涙を舌ですくう。

『ちょっ、やめっ、んっ、あ、ぁあ！んんっ』

｢ようちゃん、ごめん。泣き顔可愛すぎてもっと泣かせたい｣

そう言った彼の目は、まるで獲物を捕らえた狼そのもののようだった。

『あっ、ちょっ、まて、やぁ、だめっ、いっ、ぁあ』

痛みと快感が交互に押し寄せてきて、涙は流れ続けたままだった。

｢ようた、かわいいよ｣

そう言って俺の頬を撫でる彼の目に狂気を感じたのは、この時が最初で最後だった。―――