帰ってきたの ページ7
悪魔は、真っ白な穢れ無き雪を掻き分け、
雪の積もっていない場所を作りました。
そして、色の定まらない石を取り出し、
チョークのコンパスのようなものに嵌め、
美しい円形を、地面に描きました。
中に、複雑な図形をいとも容易く描きました。
それから、悪魔は、少年に命じました。
「境乱、57を取り出して。」
「え、どれ?」
「境乱、ローマ数字読めないの?」
「いいから、どれ?」
「Lvii...L.V.I.Iよ!」
「えーと、えーと……これ!」
「それは56、役割が正反対です」
「ええ!?……じゃあ、これ?」
「あ、それよ!サンズ、魔力補助お願い!」
「分かった!」
悪魔は本を浮かばせ、羽を開きました。
そして、色の定まらない石を本に置きます。
すると、ふわりと石が浮かびました。
本には文字が入れられました。
「……―――――!」
悪魔は聞き取りにくい声を発すると、
感極まったように目を閉じて腕を振り上げ、
石を己の手に取りました。
ドォォォ!
雷が図形に落ちました。
雷は図形に火をつけ、
地面に強力な電流を大量に流しました。
「足が痺れる……っ」「ううっ!」「っ!」
「う……!はぁぁぁぁ!」
ドォォォン、ドォォォン、ドォォォン!
続けて3つの雷が落ちました。
「ぁぁぁ!」「うっ……!」「っ、あああ!」
人間達は倒れ、骸骨は、悪魔に、
大量の魔力を送り続けました。
そして、悪魔は電流に耐え、合計4発の雷を、
見事、図形のど真ん中に当ててみせたのです。
「皆……っ、離れ、て!」
悪魔は叫びました。
皆飛び退きました。
悪魔は少年に引っ張られ、助かりました。
ドオオオォォォ!
一際強力な雷が落ちました。
「……皆!」
彼女は、雷から出てきました。
「ライ!」
「……ただいま、皆!」
呑まれて消滅するはずの哀れな守護霊は、
美しい笑みを浮かべて、帰ってきたのでした。
「……サリー!レアは何処に!?」
「えっ!?レア、は……」
「……まさかとは思うが。
光の魔法、モロに食らわせた……とか?」
「オハズカシナガラソノトオリデス……」 「……はあ、任せてくれ!
私がなんとかするから、それを預けて!」
「わかったわ、貴方には敵わないわね」
悪魔はくすりと笑い、霊を閉じ込めた、
手のひらサイズの小さな檻を渡したそうです。
「……うわっ」
僕は突然の光に吃驚した。
真っ暗闇の空間にいたのに、
急に視界が眩しくなり、僕は思わず、
手で目を覆い、目を瞑った。
それから、目を、ゆっくりと光に慣らして……
「……えっ!?」
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:misaki66666 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/adadgjgj/
作成日時:2019年4月5日 19時