平和的な悪魔 ページ15
ギリッ。
つい少し歯を食いしばってしまう。
……駄目よ、私は人殺しとか、陥れるとか、
そんな事はしないって、決めたじゃない。
……無理よ、人を陥れる、それが悪魔なの、
逆らうなんて無謀よ、どうせまた……
「……サリー、落ち着いて」
「っ、境乱……」
……落ち着いて、私。
なんてこと無いわ。
宿命なんて無い。私が決めるの。
「……その悪魔こそサリーだ。
サリーは純粋な血統の悪魔で、
魔界のルールに逆らって追放されてしまった。
で、境乱を助けた、と。
境乱は村で忌み子と呼ばれ、虐げられていた。
サリーはそれを助けてくれた。」
心が少し落ち着く。
助けた、そう、私が、私が、自分の意志で……
「私はサリーとなんとかコミュニケーションを取り、
最高の親友と呼べるまでの仲になった。
勿論、境乱もな。
……そして、境乱を村から逃がそうという話が出た。
境乱は、護られて居ても、差別を受けたりして、
とても辛い思いをしてしまっていたから。
だから、逃げる事にした。
決行する夜。
境乱は鎖に繋がれていたから、
私はそれを武器で断ち切った。
そして、サリーは境乱を精神的に安定させた。」
……そうよ。
「私達三人で、あの村から逃げ切った。」
……縛られる必要は、無いの。
じゃなきゃ、此処にいる事なんてできてないわ。
「そして、私達は様々な場所を巡った。
……しかし、私は天界から呼ばれてしまった。
『次ノ任務ヲ告ゲマス』
あの声は、今でも鮮明に覚えている。
私は、強制的に連れ戻された。
そして、一人を死ぬまで護るというのを二回やって、
私は、Aの守護霊となった。
……その後は……」
ライが此方に視線をよこす。
「……私達はライと別れた後、旅を続けたの。
そして、境乱が、レアに憑かれた。
私では祓えなくて、天界に助けを求める事も無理。
境乱……いいえ。レアが、こう言ったの。
『創造主の守護を断ち切って殺してしまおう』
何の事だか見当もつかなかったわ。
だから私は束縛魔法でレアを留めて、
ありとあらゆる魔法の文献を読み漁った。
普通の文献だけじゃなくて、危ない方面のも。
……そしたら、出てきたの。
創造主は誰なのか。守護とは何なのか。
……一端の宗教とかじゃなくて、事実だったのよ。
創造主は、世界の創り主。
守護とは、創造主の操り人形。
レアはそれを殺そうとしていたの。
そうすれば接点が消えて、世界が消えるから。
……でも、境乱だって反抗した。
そしたら、どうなったと思う……?」
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作者名:misaki66666 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/adadgjgj/
作成日時:2019年4月5日 19時