皆のLOVE、永久の決意を。 (ページ14)

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感情の起伏ページ14

「……感情の起伏が私に生まれたこと。」
ライは落ち着いて言った。
「そう。人間らしくなったんだ。
良くも悪くも。
でも、五年経って帰ってきた時に。
……正直、あまりの差に驚いた。
戻って、ちょっと悪さをしたんだ。
そしたら、それに対して、
あまりにも寛大すぎる処置を受けた。
……それで、とてつもなく申し訳なくて、
前みたいな感じに戻って、
嫌がらせとか悪戯とかだけは無くなった。
それから、お祓いみたいな物を受けた。
地上で過ごす中でまとわりついた罪や穢れ。
そういうものを全部全部跡形もなく祓った。
それで残ったのは、感情の起伏。
その内、皆が極端な感情を感じないことに、
何か、凄い違和感を感じるようになった。
それで、二つ気付いた。
一つは、皆が負の感情を一切感じないこと。
悪戯したときだって、寧ろ謝られたし、
もし自分が転んでも、全然嫌な顔をしない。
周りからは心配されるけどな。
……というか、もしかしたら、
負の感情=無、だったのかもしれない。
……
もう一つは、正の感情……
……じゃ、分かりにくいか。
プラスの感情……と言ったらいいかな……
それが人間より明らかに多い事。
大人の人間が一日に笑うのが、
確か十五回。四十歳を過ぎると十四回。
……だったかな。
それだったのが、平均とかもうほぼなくて、
無表情でいる平均が一年に三回くらい。
だからいつも笑ってるんだ。
……そんな違和感は無かったけど、
数字とか言葉だけで表せば、
異常だってすぐ分かるだろ？
で、私だけ異端。
私だけ違う。
そんなの悲しいだろ？
だから私は、地上の人間の守護霊になった。
そっちの方が感情の起伏が多くて、
違和感も疎外感も一切なかったから。
……疎外感に関しては、
私が勝手に感じていただけだが。
それで、地上は、私のいたところに比べて、
かなり……穢れが多かったから、
さらに穢れのある世界とも繋がってる。
だから霊とか悪魔もごくたまに見かけるんだ。
私が護っていた子が死んだ時、
私はその子から見えない力で引き離された。
だから暫く一人で旅をする事にしたんだ。
一週間くらいふらふら旅をしていて、
私が見える科学者みたいな人に会った。
それで、忌み子を助けてやれ、
って諭されたんだ。
だからあちこちで情報収集して、
山の麓にある村に辿り着いた。
そこで一人の男の子が泣いているのを見た。
……そしたら、悪魔がその子を慰めてた。
正直驚いた。
悪魔は人を陥れる存在だからな。」