難しい ページ11
「ほら、着いたぞ」
ライが、重々しい扉の前で足を止めた。
扉には、会議室という字が刻まれている。
「うー」
サリーが頭を軽く振って立ち上がった。
「開けろ」
「ライは合鍵持ってるのに……」
「一体、鍵が何千あると思ってる?」
「うっ」
サリーは渋々扉に手を翳す。
光が記号のように組み合わさり、
扉が音を立てて開いた。
中はとても広かった。
「……ん?」
サンズが声を上げる。
「どうしたの?」
「部屋の広さとドアが合わない……」
「え……あ!」
確かにそうだ。
二メートルくらいの間隔でドアがあるのに、
この会議室は明らかに縦横十五メートル以上。
会議室の中にこのドア以外のドアはないし、
取り敢えず、広さとドアが合わない。
「そりゃあ、この城の素材……」
「物質じゃなくて、魔力だからな」
「台詞奪うなッ!」
「まあまあ……」
サリーのセリフを奪うライと、
そんなライに怒るサリーと、
サリーを宥めるキョー。
見事な連鎖に、私とサンズは苦笑した。
「魔力でできてたら、特別な事があるの?」
「物質じゃないからね、空間魔法とか、
魔法紋を組み込めば発動して色々できるよ」
「ま、まほーもん?」
「私の編み出した技術……」「二人の技術だ」
……また見栄張ってるよ、サリー。
「僕は教えて貰ったんだよ、サリーから」
「魔法紋とは、呪文を固定するものだ」
「分かりやすく言うと……そうね」
サリーは、会議室の奥の、
倉庫らしき場所に行った。
そして、ホワイトボードを引っ張ってくる。
「こんな感じよ!」
「お、おお……」
サリーはペン一本で図を描き上げた。
出来は……微妙である。
「まず!ここの赤いのがトリガー。
照明をつけたりする時のスイッチみたいな、
そんな感じかしらね……
これを押す!」
「そしたら電気みたいなものが送られる!」
「それで、魔法紋が発動!
魔法紋の刻まれたものに、
何らかの現象が起こるのよ!
現象は紋によって違うわ、これは空間魔法!」
「……って感じ、どう?」
「え、えーと……」
「分かりにくい」「?」「え……」
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作者名:misaki66666 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/adadgjgj/
作成日時:2019年4月5日 19時