知ってる肩書き、知らぬ関係 ページ23
目を剥く万事屋と、きょとんと揃った顔で見返す大前姉弟。
そんなに驚くことだろうか、と目を瞬いた。
「姉ちゃん、言ってなかったの?」
「わざわざ言うことでもないと思って……興味無いでしょ、そんな」
「おま、そんなぶっといコネクションあってなんでわざわざ妖怪の巣窟なんざに出稼ぎに来てんだよ!?」
「あんまり叔母さんたちと連絡が取れなかったんです。向こうも向こうでお忙しいですし、雪慈くんのこともあったのでちょっと気まずくて……」
「あと、あんまり叔母さんのこと知らないもんな」
「そうだね。叔母さんたちとはお盆とお正月か、あとお葬式とかくらいでしか会わないし」
「母さんも、滅多に話したこと無かったね」
「あんまり言わないようにしてたよね」
「なんとなくな」
ますます謎が深まる叔母だが、幕府の顧問弁護士とあらばそれなりのキャリアと給料が手に入るはずだ。姉、つまり母はその道に行かなかったのかと聞くのは野暮だろうか。
どことなくしこりが残るような感覚が巣食う。誤魔化すように茶を啜り、盛大に噎せた。
「銀ちゃん何やってるアルか。きったな」
「でも、よく引き受けましたよね。その、雪印さんのこともそうですし、今回の家具のことだって」
「雪慈くんです。まぁ、姉妹の禍根はあったかもしれないですけど、それを子どもに見せるようなことはしたくなかったんじゃないですか?」
「あのことがある以前は、俺らは仲良いと思ってましたから。それこそ、冬一兄ちゃんも」
「トローチ?」
「トウイチです」
団子をもっちゃもっちゃ食らう神楽と銀時はみたらしの味が気に入ったようで、何本か追加を頼む。お金無くなりますよと新八が止めに入るも、空腹メーターが赤にまで振り切った胃拡張娘と糖分王はブレーキが壊れた直後だった。
互いに自分の団子を取られまいと喰らいつつ、相手の団子を狙う卑しさに思わずため息がでた。
「みんな、この後はどうするの?」
「もうちょっと雑貨見たい!! がま口財布欲しいんだ」
「俺、簪欲しい」
「俺今日夕飯当番だから、買い物行くんだ」
「なあんにもないよ」
「ないよお」
「そっか、みんなバラバラか……」
「姉ちゃんは? まだお針子さんの仕事あるの?」
「うん。夕方の4時半まで。その後はスナックのご飯の仕込みかなぁ」
「……ねえ、姉ちゃん」
「うん? どしたの、沙苗」
「あのね、私……
『スナックお登勢』ってとこ、行ってみたい!!!」
「…………えっ」
いつもお世話になってますっていうけど、むしろお前はこっちが世話してる方なんだよ→←団子屋で昨日の思い出話を
837人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ワッフル魔神(プロフ) - 更新待ってました!これからも応援しています!更新頑張ってください‼️ (4月2日 20時) (レス) id: 144fda3ce7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2024年3月27日 8時