昼は定食屋、夜も定食屋。本業はスナック ページ48
「皆様、お待たせ致しました。どうぞ」
「わぁ、すごいや……」
「ふわっふわヨ!! これふわっふわしてるアル!!」
「おーいババア、これに合う酒くれや」
「テメーはとっととツケと家賃払えや!!」
たまとキャサリンが出した膳はよくある定食スタイル。豆腐とほうれん草の味噌汁、つやつやの白米、箸休めの白菜と塩昆布の和え物、そしてメインが鶏肉とナスのみぞれ煮。神楽が「ふわふわ」と表現したのは、ほどよく白を残した大根おろしだ。
こうして見ると、どこぞの旅館とかで出てきそうである。実際は場数を踏んだ女帝が営むスナックなのだが。
「またこんな手の込んだもん作って。どうりで厨房から出てきやしないわけだよ」
「先ほど『冷蔵庫の中身大整理だ』と仰っていました。ですので、野菜類はほとんど無くなるかと」
「A!! アンタ作りすぎんのも大概にしなよ!! アタシらもそこまで食えやしないんだ、お客に出す分だけ作んな!!」
冷蔵庫の中の命は長くない。発酵食品ならまだしも、肉や野菜などは放置しておけばすぐに傷んでしまう。そうしたロスを減らすため、定期的に冷蔵庫大整理大会が行われるのだがいかんせん料理の量が多すぎる。
お登勢も高齢、キャサリンもそれなりに食べるが大食漢ではないし、たまはそもそも食事を必要としない。AもAでそれなりに食べるが、やはり限界というものはある。
が、それをものともしない人物がいた。万事屋の紅一点である。
これ幸いにと、冷蔵庫大整理大会に付き合ってもらおうという魂胆である。
ちなみに、万事屋一行がカウンターに着いて早々に存在に気づいていた。厨房とそこまで距離がないので。
「えっ、今日神楽ちゃんいますよね！？ なら少しだけでも手伝ってもらおうと思ったんですけど……」
「毎度やりすぎだってんだおめーは!! 冷蔵庫の中身アンタに任せちゃいるけどね!! ちったぁ消費期限のこと考えて買い物しな!!」
「いやほとんど買ってきたのキャサリンさん……」
「私ニハ牛シグレ寄越セヨ、飯炊キ当番」
「なんでてめーもちゃっかりメシにありつこうとしてんだァア!!!!」
「牛しぐれはお客さん用なんですー!! みぞれ煮まだあるのでそちらでお願いしまーす!!」
「ショウガネエナ、我慢シテヤルヨ」
「Aー!! ご飯おかわり!!」
「はーい!! ちょっと待っててー!!」
完全にノリが定食屋である。
厨房から出てくるなり、神楽のお茶碗を受け取って何か皿を手渡す。
分厚い卵焼きだった。
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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (
レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします！密かに応援しています！頑張ってください！面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます！ (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月19日 13時
