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今日の坂田家の食卓 ページ47

「で、懲りずに来たってわけかい」

「すみません、お登勢さん……」

「冷蔵庫のもやし、酸っぱくて食えたもんじゃなかったアル」

「豆パンもカビ生えてるしよぉ、このままだったら腹空かせて神楽が大暴れすんのがオチだよ」

「そのまま暴れたついでにコイツの内蔵全部売り飛ばしてくれてもよかったんだがねぇ。いい値になるよ」


『スナックお登勢』のカウンターにて。

今日も今日とて厚顔無恥な万事屋一行は、今日の夕飯にありつくべく大家の店に来ていた。

最初はAがすっ飛んでくるのではとヒヤヒヤしたが、どうやら今は仕込みの真っ最中らしく厨房の主として腕を奮っていた。

うちは定食屋じゃないんだよ、が最近のお登勢の口癖だ。


「こんな時間まで仕込みしてるんですか? もうそろそろ開店なのに…」

「ああ、今日は帰るのが遅かったんだよ。雑貨屋の仕事が長引いたとかでね。針子の一人が抜けたってんで、その穴埋めしてんのさ」

「そっか、確か裁縫が得意なんでしたっけ」

「そうだよ。アタシも見せてもらったけど、素人にしちゃなかなかの腕前だね。店先に並ぶのがよく分かるさ」

「私ノ着物モコナイダ破ケテ、アイツ二縫ッテモライマシタ。ドンナ継ギ接ギカト思エバ、見レナイモンデモナカッタデスヨ」

「へぇ、あいつ器用なのな」

「得意なことを活かした仕事がしたいって言ってたからねぇ。
最近じゃ型紙揃えて反物引っ張り出して、いよいよ長着にまで手ぇ出そうとしてんのさ」

「長着!? えっ、まさか手縫いでですか!?」

「あいつんとこじゃ、妹や弟に食わせるのが精一杯で着物なんざ買う余裕なかったんだろうよ。それで、古い反物譲ってもらって型紙おこして縫うのが普通だったんだと。

確か、Aがいつも着てる道着と袴も自分で縫ったって言ってたかねぇ」

「スゴイアル!! Aは魔法使いアルカ!?」

「ただの貧乏性だって言ってたがねぇ。ありゃ一種の才能だよ」


ふーっ、と細く息を吐く女帝の眼は優しいもので。

それと同時に、後ろの厨房であれやこれやと色々生み出している末っ子の爪の垢を煎じて目の前の奴らに飲ませてやりたいと思った。

どう見ても働きすぎなAと働かないプータロー。どちらを労うのかと天秤にかけるまでも無い。


「で、自分より歳下の女にケツ追いかけ回されたパチンカスはいつんなったら家賃払うんだい」

「いやぁ、今月はマジで厳しくって……来週んなったら返すから」

「先週も一昨日も聞いたよ。ったく」

昼は定食屋、夜も定食屋。本業はスナック→←大前さんからお手紙ついた



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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします!密かに応援しています!頑張ってください!面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます! (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年4月19日 13時

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