素寒貧には素寒貧なりの理由がある。 ページ45
さすがにパンイチでは帰れないので、むしり取られたズンボラジャージは取り返した。というかぶんどった。
まだレースはあるが、手持ちが残り341円しかなかったので諦めた。途中でファ○タ買ったので実質221円だ。
従業員に何を言われようと今さらだが、倍にしようとした元手がパァなのでもうどうしようもない。今日も豆パンか。いやまず豆パンまだ残ってただろうか。
いやでもなぁ、とうだうだ考えて原チャを転がすうちに、ホームタウンことかぶき町に戻ってきた。
銀さんおかえり帰ってきたのかい、安くしとくよ、銀さんウチ寄ってってよ、などの親しい声が聞こえる。
おー、と適当に返し、万事屋に到着した。
「けぇったぞー」
「あ、銀さん。お帰りなさい」
「銀ちゃん!! どこ行ってたアルか? ババアめっさ怒ってたネ」
「あー、ちっとな」
「また家賃のことで怒られたんですか? 昼間はAさんに追いかけられてたって聞きましたよ」
「あいつマジで足速ぇわ。振り切るのにめちゃくちゃ大変だったかんな」
「いい加減ちゃんと払ったんでしょうね?」
「っと、メシメシ」
「またスったんですか!!! 今度はなんだ、パチか!? 競馬かァァァァァ!!!!」
「あでででででで折れるゥ!! 首の骨折れるゥゥウウ!!!!」
台所に向かおうとする背後を取られ、万事屋唯一の常識人のヘッドロックがかかる。それなりに身長差もあるので、逆海老反りの形になり背骨と首の骨が悲鳴をあげた。
どうにかある分の金を回収せんと新八が頑張るが、そう簡単にやられる銀時ではない。なんとか財布を奪われずに腕から逃げ出した。
「まったくもう、少しはちゃんとしてくださいよ。一応、銀さんは社長なんですから」
「そーヨ。いくらプータローで足クサくて天パだからって銀ちゃんがダイヒョーネ」
「お前ら、傷つけて楽しいか?」
ようやく台所に赴き、手を洗ってから居間に戻る。
夕方の時間帯とあり、今日起こったニュースや天気予報などの報道番組が流れていた。神楽は一切見向きもしない。
新八も一見真剣そうに観ているが、最も気にしているのはエンタメコーナーの寺門通である。とことん自分の欲に正直な男だ。
ソファにどっかり座り、背もたれの向こうでドッグフードを食い散らかす定春をゆったり撫でる。がぶ、と捕食者に手を食われた。
「そういや神楽、それどーした」
「ン? 沙苗と美菜からのお手紙ヨ!! いっぱい書いてくれたアル!!」
「今日、渡しに来てくれたんです」
大前さんからお手紙ついた→←普段神なんて信じないくせに都合のいいときばかり神を頼るのが人間の性
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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします!密かに応援しています!頑張ってください!面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます! (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月19日 13時