甘党と貧乏性と女の子と定春 ページ4
注ぎ込んだのは3000円だったというが、まさかの大当たりで倍に変わった。
万札を数え、そっと懐に入れようとした疚しい手を弾き、新八が回収した。これは甘味処で使いましょう、と。
ある程度遊んだので、昼食も兼ねて話題の甘味処に行くことにした。定春の背中に自分そっくりのぬいぐるみを括りつけ、撫でくりまわす。
規格外の大きさを誇る定春はいつも店の外で待つことが多いが、該当の店はペット用のメニューも提供しているらしい。よかったね、と定春の頭を撫でた新八は手を噛まれ悲鳴をあげた。
件の甘味処はメディアで取り上げられたこともあり、かなりの行列をつくっていた。それぞれ整理券が配られたが、万事屋は
長蛇の一部となる女性からの視線が痛いが、銀時はものともせず鼻をほじり、Aは定春を撫でるばかりだ。一人だけ狼狽えているのが馬鹿馬鹿しくなり、新八も大人しく並ぶことにした。
お待ちの間、ご覧になって下さいと手渡されたメニューはほとんどがパフェだ。専門店だからか、どれもこれも写真の映りがいい。サラダやピザなどのメニューもあるが、メインがデザートのためか扱いが小さい。
ペット用のメニューはどれもオシャレで、小ぶりのグラスに盛ったドッグフードややたら縁が広い皿に小指ほどのサラミなどがある。定春の胃袋を考えれば、50皿はいけそうだなと新八は思う。
「これ、定春くん足りませんよね」
「はい……いつもドッグフード5袋は平らげるので」
「…いっぱい食べるんだねぇ、定春くん」
「アンッ」
「ンなチマチマしたもん食わせらんねーだろ。コイツ用に作ったら俺らの昼飯代より嵩むじゃねーか」
「そんなこと言わないでくださいよ。さっきのお金もありますし、今日は少し贅沢できるんじゃないですか？」
「新八くん新八くん、ステーキってありますよ。ステーキ」
「えっ、わっ!! いい値段するなぁ……」
「半分しませんか？ 多分食べられると思うので」
「あ、ハイ」
現在16歳の新八はまだまだ成長期だ。パフェだけでも腹に溜まるだろうが、肉や魚などのメニューも魅力的に見えたし、食べたいなと手を伸ばしかけた。
それを分かっていたのだろう、17歳のAが見せた肉の写真は口内を涎で満たした。
パフェのことしか頭にない家主はともかく、どれにしようと悩む女の子は可愛いなと率直に思うのだった。
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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (
レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします！密かに応援しています！頑張ってください！面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます！ (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月19日 13時
