ご両親はどんな人ですかと聞く前にまず自分の親を誇れる人間になれ ページ22
「僕の父はなんというか、家柄を気にするような人なんだが……
君らのご両親はどんな人だったんだ?」
「んぇ、ええと……」
まずい、と率直に感じた。
親友からAの両親について聞き及んでいたが、そういえば数年前に逝去したと言っていた。まだ幼い子どももいるというのに、配慮に欠けていたのではないかと内心冷や汗をかいた。
が、そんな九兵衛の様子を気にすることなく口火を切ったのは、まさかの末っ子だった。
「かあさんはねぇ、元気いっぱいなんだよ!!」
「確かに、まあ……病気かかる前はめちゃくちゃ元気だったな…」
「絶対アレ何度か死神殴り飛ばしてたよね。じゃなきゃ6人も産まないもの……」
「父さんは……厳しい人だよな。竹刀持つとなおさら」
「ご飯つくるとき、ちょっと細かい」
「あ、それはすごい分かる。適量って書いてあるのに『適量っていくつだ』って真面目な顔してたもんね」
「おれ、まだ父さんに勝ってないのに」
「龍之介、あんたはまず私から一本取んなさい」
「沙苗姉ちゃん、こないだ合気道で負けてた…」
「美菜、シッ」
わちゃわちゃとやり取りする姉弟たちを見て、ほっと密かに胸をなで下ろした。
九兵衛も物心つかぬうちに母が儚くなったためか、思い出というものがほとんどない。なので、悲しいなどの感情は無かったが、やはりどこかで求めているものがあったのだろう。父や祖父、東城などの世話焼きに囲まれて、恵まれているのだと思いつつ。
大前姉弟は全員が成人にならないうちに両親を亡くしたが、そんな悲壮感は微塵も感じさせなかった。きっと、互いに愛情を与え続けて、与えられ続けているのだろう。
「母さんは合気道の指導者で、父が剣術の師範でやってたんです。 母は雑把というか……教えるのに擬音を連発するような人で」
「そうなのか……もしかして、時折孝太郎くんが発してるのもそれか?」
「十中八九それです。孝太郎、合気道教えるときによく擬音使うから『教えられても分かんない』ってよく言われてます」
「姉ちゃんそれ言わない約束!!」
「父は厳しいんですけど……優しい人です。少し、不器用で。
明らかにプレゼントって分かるような包みをぽつんと卓袱台に置いて、自分はその傍らで新聞読んで『おい、なんかあるぞ』って言うようなタイプです」
「つまりその……少し構われたがりなタイプか?」
「というか、ちょっとめんどくさいです。気づいても何も言わないと、先に部屋に包み置いておくんです」
大前流道場の成り立ち→←流派の由来? ボーカルとドラムの名前から適当に取りました。
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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします!密かに応援しています!頑張ってください!面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます! (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月19日 13時