流派の由来? ボーカルとドラムの名前から適当に取りました。 ページ21
「いい腕前じゃったのう。男子ならば是非柳生の跡取りに来てもらいたかったわい」
「いえ、そんな……恐縮です」
「おじい様、Aの腕をさするのはやめてください」
「ふむ、よい鍛え方をしとる。合気道もやっとると聞いた、さぞよい指導者だったのじゃろうなぁ」
「あ、はい。両親が……」
「ふむふむ」
一見すれば介護施設の日常かもしれないが、かたや名門剣術流派の歴代最強、かたや道場の師範代である。ボケたフリでセクハラをかます老人はいるが、まだ意識もしっかりとした人間だ。そうした意図は数ミリしかない。
さすさすとしばし腕を撫でていたが、満足したのか下ろした。ちょっとだけAはほっとした。
かと思えば、縁側に手をついたAの腕を杖代わりにしてぁよっこいしょと立ち上がった。びっくりした。
「また来るとよい。九兵衛の友人ならば、わしらは拒まぬ」
「は、はい……ありがとうございます…」
すたすたと立ち去り、呆気に取られたAと兄妹たち。しばらくぽかんとしていたが、特に害もなかったので手元の菓子にかぶりついた。
ほんのりと甘いカステラの底には砂糖が敷かれ、じゃりっと硬質な感触がする。金平糖以外に菓子は食べたことはあるが、こんなにも贅沢なものは初めてだった。
どらやきは粒あんとこし餡が混ぜられており、豆の食感と滑らかな舌触りが口いっぱいに広がる。生地ももっちりしており、焼き印が見えるところ老舗の逸品と思われる。
美味しい、と零した三女。半分に分けてはい、とあげると、それを受け取ってもう半分に割られ、片割れが戻ってきた。ちみっこいどら焼きはより甘い。
冷えた緑茶が五臓六腑に沁みる。
「そういえば、みんなは駿河の出と言っていたが……ご両親もそうなのか?」
「あ、えーと……多分…?」
「たぶん? なぜだ」
「ええと、うち親戚との付き合いがそんなにあった訳じゃなくて… 母方は恐らく駿河だと思うんですけど、父の方はあんまりよく分かっていなくて…」
「そうなのか……ならば、剣術や合気道はどこで学んだんだ? あんな型は見たことがない」
「我流、ですね。家にあった指南書は父の筆跡でしたし、母は人から習うような気質ではなかったというか…」
「ふむ……そうか」
両親のルーツについては子どもたちも多くは知らない。大前家に預けられていた従兄弟は母方の妹の息子であるというのは知っていたが、毎年駿河に来ることが多いので所在地は知らないのだ。
ご両親はどんな人ですかと聞く前にまず自分の親を誇れる人間になれ→←稽古後にひといき
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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします!密かに応援しています!頑張ってください!面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます! (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月19日 13時