いらっしゃいませ、柳生陳陰流 ページ15
話はとんとん拍子に進み、柳生家にお邪魔する日になった。
大前一門は全員稽古着に防具を抱え、竹刀袋を背負っている。志村姉弟はというと、それぞれ外せない用があり来られなかった。
お妙はもともとキャバクラのシフトが昼から入っており、新八は柳生家に行くつもりではあったが万事屋で年に一度あるかないかほどの依頼のダブルブッキングが発生し、そちらに向かわなければならなくなった。前々日に九兵衛に連絡が入り、ならばそちらを優先した方がいいと日を改めることになった。
長い階段を登り、どデカい門が一同を出迎える。観音開きの向こうには、柳生陳陰流の門下生がずらりと並んでいた。全員男性で、大前家のような未成年は見当たらない。
その奥に待ち構える、稽古着姿の九兵衛とwithBのように背後に立つ男たちがいた。知り合いの顔を見てほっとし、末妹は呑気に手を振っていた。
「来てくれてありがとう。ようこそ、柳生一門へ」
「お招きいただきまして、ありがとうございます。本日は何卒、よろしくお願いいたします」
「ああ、こちらこそ。さっそくで悪いんだが、これから稽古に参加してもらう。美菜ちゃんや沙代ちゃんには、別にメニューを立ててある」
「わざわざ、ありがとうございます」
「大人でも音を上げる鍛錬だ、無理をさせるつもりはないさ。
彼らは稽古の指南役で、右から東城、南戸、北大路、西野だ。何か分からないことがあれば、彼らに聞くといい」
「東城です。本日は皆様にお会いできますことを、大変嬉しく思います。若がご友人をお招きすることなど、滅多にありませんから」
「よせ、東城」
軽く挨拶を済ませ、稽古が始まった。走り込みからストレッチ、筋トレ、素振りを経て防具を付ける。一糸乱れぬ動きは流石と言うべきか、日々の鍛錬を怠ることのない洗練された動作だ。先頭に立つ九兵衛の素早さは群を抜いており、それに追いつけずとも焦ることなく稽古に励んでいる。
それに食いつくのがAをはじめとした大前姉弟である。年下組は別メニューを組まれているとはいえ、難なくこなしている。すぐに音を上げるだろう末妹が何より楽しそうに取り組んでいるのだから、門下生は瞠目するばかりだ。三女の美菜も、汗をかいているとはいえ息切れは見られない。次女の沙苗や次男龍之介、長男孝太郎は体力に余裕があるため大人と同じ内容を行っている。
そして、その長たるAは九兵衛とほぼ同じペースで稽古に臨んでいた。ほぼ神速と同等である。
打ち合いとは言うけれど結局は稽古の名を借りたケンカ→←柳生家へのお誘い
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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします!密かに応援しています!頑張ってください!面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます! (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月19日 13時