いざ、若者の娯楽場へ ページ2
ゲーセン。本名:ゲームセンター。娯楽施設ともなれば真っ先に思いつきそうだったが、この規格外のド田舎で生まれ育ち江戸の魑魅魍魎が集うかぶき町に身を置いているのだ。若者が集うチャラチャラした場所は自然と遠のくだろう。
アキバ、ブクロなどはもってのほか。ならば、江戸の娯楽という娯楽を味わわせてやろうと新八は意気込む。
かったるそうにジャンプを開く銀時はすっかりオフモードで、留守にしてたら依頼の仕事が入るかもしれないからと最もらしい理由をつけて動く気配がない。
新八はそれを横目に、最近できた甘味処が美味しそうだからそこにも行きましょうかと誘うと何やらガタガタ騒がしい。
先ほどまで少年誌を開いていた家主はヘルメットを持ち出し、押し入れに入っていた定春を呼んだ。呆れた視線を浴びながら、さぁ早く行くぞと意気込む背中は新台入替のときと相違ない。
ちなみに、新八が言う甘味処というのはパフェ専門店である。旬の食材や国産卵を使っているため、料金も割高。女子力高めの店は、キャバクラ勤めの姉からの情報だ。
絶対奢ってもらう気だな、とゲンキンな社長に嘆息し、万事屋流江戸初心者案内ツアーを開始した。
ゲームセンターは数多くあれど、その規模は大きく異なる。
スーパーや銭湯の一角にちんまりとある子どもの遊び場から、一棟丸々ゲーム機で埋め尽くされているものまで様々だ。
今回向かったのは、そこそこ小規模ながら幼い子どもにも人気な遊技場だった。ちなみに、その隣には銀時行きつけのパチンコ屋がある。
お金はある程度下ろしてきたというAの肩を掴み、倍にして返すからと全く信頼できない宣言を吐く社長を定春がしばき倒して店頭にある遊戯台を選んだ。
「え、これ……えっ? お祭りあるの…?」
「ああ、これは太鼓のリズムゲームなんです。こう、太鼓を叩いて音を出して…」
「ぁえ、はぁ……太鼓って喋るんだ…」
「いやそういうゲームなんです。説明とかするんですよ」
「へぇ……はぁ、へぇ…」
「大丈夫ですか。言葉覚えたて?」
初心者モードで試したり、慣れて普通のモードでやってみたりとかなり楽しんだ。その間伏せていた社長は復活し、奥に設置されているゲーセンのスロット台に向かった。
リズムゲームの後は、ゲーセンの代名詞ともいえるUFOキャッチャーだ。Aは尽くセンスがなく、段ボール大はありそうなお菓子を何度も取り落とした。
難しいな、と笑ったがそれはただ単に下手なだけである。
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ゆき - 面白いっす (2021年5月6日 20時) (レス) id: c80af731ce (このIDを非表示/違反報告)
??ただのアニメ好き★(プロフ) - お話とても素敵で楽しくて銀魂って感じ(?)がします!密かに応援しています!頑張ってください!面白可笑しく時には切なく読ませて頂いてます! (2021年4月29日 9時) (レス) id: 07e5d6fa1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月19日 13時