明日からダイエットする? そう言ってこの間もドーナツ食べてたでしょ!! ページ8
起き抜けの目覚ましは、長年の付き合いである酒飲み特有の頭痛。
ズキズキと痛む頭を抱え、布団にくるまった。まだ眠っていたいが、そうは問屋が卸さない。すぱん、と小気味いい音を立ててメガネの従業員がやかましく起こす。
「銀さん、朝ですよ!! さっさと顔洗ってきてください!!」
「……るせぇよ、ぱっつぁん…あんまでっけぇ声出すなって…」
「また飲んでたんですか? まったく……」
布団に沈んだままの銀時を踏んづけて衣紋掛けの着流しを外した。吐瀉物がこびり付くそれにうげ、と顔を顰める。
急いで洗濯機に放り込むついでに、布団も取り上げた。眩しい陽光を浴び、枕で目を覆う。
「その調子じゃ、大丈夫そうですね。ゲロ吐いても着替えられたみたいですし」
「ぅえ……?」
そこで、ようやっと自分が寝間着を着ていることに気づく。自分は昨晩いつものインナーと着流しで寝転がらなかったか。いつの間に着替えたのだろう。
頭にハテナを浮かべていると、かさりと何かが指に触れる。枕元に置かれている、一枚の紙だった。拾い上げると、酒を共にした幼馴染の書き置きだった。
【酒は飲んでも飲まれるな。ちゃんと酒量把握しなさい】
「……母ちゃんかよ」
文面から声が聞こえてきそうだ。枕元に置き、ぐっと背中を伸ばした。清水が着替えさせてくれたらしい。よくできたな、と感心した。
衣紋掛けに掛けられている帯やベルトの几帳面さがよく現れている。あいつかヅラぐらいだな、とふと思う。
よっこいせ、と起き上がり、洗面台に向かう。酒臭い息を何とかせねばと、歯磨き粉を取り出した。
しゃこしゃこと歯を磨くと、泊まりから帰ってきた神楽が割り込むように手を突き出してきた。じゃばじゃばと手を洗い、その横でオッサン臭く水を吐く。念の為にモン○ミンで口をゆすいだ。
新八手製の朝ご飯の香りにつられ、食卓につく。ほかほかのご飯と玉子焼き。珍しくウィンナーやほうれん草のおひたしもラインナップに加わっている。
いただきます、と箸をつけてゆっくり咀嚼した。ああ、美味い。
「そういえば、昨日お登勢さんのところで飲んでたんですか?」
「ん? あぁ、まぁな。なんで?」
「いえ、お登勢さんから預かり物があって……」
ごそごそと懐から出したのは、茶封筒。家賃の催促だろうか、と受け取ると底の方にある硬い感触。丸みを帯びた、二ミリ幅の…
取り出してみると、小銭がちゃりんと出てくる。お駄賃かと思いきや清水への釣りだった。
※ストーカーを見かけたらすぐに110番しましょう。え、それも信用ならない? じゃあもう無理だ。→←酔っ払いの介抱は仕事の管轄外なので飲み会には参加しません。え、強制参加? それはパワハラじゃないんですか
357人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うす - 更新ありがとうございます…!この作品が大好きです応援してます! (9月19日 22時) (レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、! (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね!すごく楽しみにしてるので嬉しいです!無理のない範囲でこれからもお願いします! (2023年4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです!次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月1日 15時