食事バランス考えるよりも献立考える方がめんどくさい ページ41
結局店屋物にした。肉だの魚だの野菜だのあるが、まだ消費期限は先だ。傷んでしまう前に作り置きでもしておこうと思う。
今では、出前も電話よりスマートフォンを通じて利用する方が主流らしい。ユーバーイーツだかウォルツだか、様々なサービスがあるという。それでもアナログ派かつ流行りについていくのが必死な清水A(26)は、店に直接黒電話で注文した。こっちの方が安心するのだ。
外つ国の海苔巻き、タピオカとかいうカエルの卵に似た球体が沈むミルクティー、定番のピザや丼もの、中には定食一式という値が張りそうなものもある。もう箸を使うのもめんどくさかったので、中華粥にした。甘いものも欲しかったので、プリンとカヌレにした。調和など考えない。
配達員が来るまで暫し待つ。それまで茶でも淹れようと、いそいそと用意する。
薬缶で湯を沸かし、茶缶を開けると空っぽだった。そういえば、使い切ってしまったのだと思い出す。せっかく急須を出したが元の場所にリターンされ、ティーバッグを湯呑みに入れた。そのまま急須に入れたらいいのではとも思うが、洗い物が増えるだけなのでこうしている。
ピーッと湯が沸いた。火を止め、しばしそのままにして冷ます。
と、その間にインターホンが鳴った。先日の万事屋来訪の際のように弾丸で起こされては敵わないので、玄関が整備されたその日にホームセンターに赴いたのだ。防犯カメラもついた優れものだ。
カメラを確認すると、店の者らしい男性がぺこりと頭を下げた。傍らにあるおかもちに注文の品があると見た。
玄関を開け、気前のよさそうな配達員がこんばんはと笑みを浮かべた。中華粥が入った器を受け取り、代金を支払う。サインを済ませてお疲れ様でしたと門扉を閉めた。
まだ温かい器を居間に移動すると、またもやインターホンが鳴る。今度はスイーツ店の配達員だった。再び玄関で一連のやりとりをした後、プリンとカヌレを頂いた。
さてさて、と茶を用意してテレビを点けた。
「あ、中華粥美味しい」
刻んだザーサイと梅干しとなめこがいい味を出している。さらさらと胃に流し込み、茶を飲んだ。
もうひとつ何か頼めばよかったかな、と思ったがもう面倒だ。プリンとカヌレを平らげ、まだ何かあったかと冷蔵庫を目指した。
「あ、卵……蒲鉾に椎茸…しそもある…」
色気のない空間にあった食材を取り出し、台に並べてみる。
アレが作れるか、と腕をまくった。
「あれ、白だしどこだっけ」
一人暮らしの男にナイトルーティンを求めるな→←人間のスイッチオフこそ至高の始まり
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うす - 更新ありがとうございます…！この作品が大好きです応援してます！ (9月19日 22時) (
レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、！ (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね！すごく楽しみにしてるので嬉しいです！無理のない範囲でこれからもお願いします！ (2023年4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです！次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年3月1日 15時
