清水さんちの朝ご飯 ページ13
「私、もうちょっと濃い味付けでもいいアル」
「ばっかオメー、ポン酢はひと回しだけにしろって言っただろ? 若ぇうちから塩分摂り過ぎたらとんでもねぇことになっからな」
「お鍋の後にいいですね。僕も今度やろうかな」
「うん、あのさ。なんで君ら僕より食べてんのかな。朝ご飯食べたんだよね?」
「あんなんじゃ足りないアル。私だって毎日卵かけご飯食べたいアル」
「いやこれ雑炊」
冷凍ご飯に卵、小口ねぎに鶏肉。一人用にしてはやや大きい鍋に出汁を入れ、材料をどばっと入れて煮込んだらできる朝ご飯だ。一人鍋だと材料を切る段階でめんどくさい。包丁とまな板を出す段階で力尽きる。これだったらまだ緩慢な朝でもできるのだ。
どうせ自分だけが食べるからべちゃべちゃになろうが構わなかったが、今回は少し慎重に作った。食べるか聞いたら満場一致で挙手だった。
朝は春夏秋冬、肌寒い。美容に気を使うわけでもないが、朝から冷たいサラダなんかは避けたい。だが野菜は食べたい。そういうときのために、スープだの雑炊だのと作る技法だけは身につけた。前日の残りがスライドすることなどしょっちゅうだ。
「清水ぅ、ポン酢取って」
「はいよ」
「清水さんも料理できるんですね」
「一人暮らしが長いからね。もう慣れたもんだよ」
「ご飯作るカノジョいないアルか」
「いないなぁ。出会いはもう、諦めちゃって」
「あのなぁ、お前まだまだよ? 出会いなんざそこら中にゴロゴロ転がってんの。かぶき町行ってみろよ、お前を欲しがる女なんざ数多の数ほどいるぜ」
「それお金発生するやつじゃん。土台が金銭と貢物でできてる関係とかあんまり好きじゃないんだけど」
「その気になりゃ童貞捨てられるんだぜ? いい店紹介しようか」
「朝っぱらから何言ってるんですか!! それ聞いてる僕達の身にもなってくれます!? 健全な青少年ですからね!!」
「銀ちゃんがふしだらなのは今に始まったことじゃないアル。男はいつだって下半身で動く生き物ネ」
「神楽ちゃん、目の前に下半身どころか下ネタすら言わない聖人君子がいるよ。爛れた恋愛から最もかけ離れた人だよ」
「ああ、確かに銀時くんはそんなに純愛主義じゃないねェ。どこで歪んだんだろ、生まれつき?」
「頭見て言うんじゃねーよ!! 歪んでるってなんだよ、成人男性なら立派な欲望だろうが!!」
「いや君の場合はなんていうか、気持ち悪い通り越して哀れに同情するレベル」
「人を害虫見る目で見てんじゃねーや!!」
急な依頼にも対応します、万事屋です→←修理代は5万3000円だったそうです。
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うす - 更新ありがとうございます…!この作品が大好きです応援してます! (9月19日 22時) (レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、! (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね!すごく楽しみにしてるので嬉しいです!無理のない範囲でこれからもお願いします! (2023年4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです!次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月1日 15時