春でもなるもん、インフルエンザ ページ47
銀時の勢いに押されたのか、男たちは怯んでどこかへ逃げていった。
おい、と声を掛けようとすると恐怖のせいか、地面にへたり込んでしまった。
銀時は面倒くさそうに膝を曲げ、目線を合わせる。
「おい、大丈夫かよ。ったく、あんくれぇお前でもぶっ飛ばせたんじゃねーの？」
「ぁ……え…？」
「ぅおーい、聞こえてますかー。今助けたの、後でがっぽり頂戴すっからな」
「あ……えぇ、と…今、これくらいしか…」
「後でっつったろ。いーから、立てや。ホラ」
手首を掴んで、ふと気づく。こいつ、こんなに細かっただろうか。いつぞやか、路地裏で助けたときはもう少し骨太だった気がする。
よくよく見てみると、頬に血色がない。目の下にクマがうっすらと滲み、髪も心無しか潤いがない。
額に手を伸ばすと、鉄板のようにとはいかないが僅かばかり体温が高かった。
「新八、お前先帰って布団敷いとけ。あとこれで熱しゃまシートと
「はい!!」
「神楽。そこの雑貨屋にこれ返してこい。ついでにA風邪ひいてるから早退けって言っとけ」
「分かったアル!!」
子どもたちの動きは早かった。神楽にAが持っていた針子の道具を渡して、ぼんやりと焦点が合わない彼女を背負った。
支えて気づいた。全体的に痩せている。ダイエットでもしてんのか、ガキが痩せてもガリガリになるだけだぞ。
あまり揺らさないように細心の注意を払い、万事屋への帰路を急いだ。
「お前よぉ、何してこんな細くなってんだよ。前もう少し肉ついてただろーが。削がれたのか。削がれてピタパンに包まれたのか」
「それ……ケバブ…」
「意識はあんのな。たく、成長期に栄養放棄すんじゃねぇよ。ウチのゲロイン見習え」
「はは……そう、ですねぇ…」
そのままゆったり歩いて、我が家たる看板が見えた。のそのそ歩いて、そのまま階段を登る。
ガララ、と引き戸を比較的静かめに開けると、すでに新八がいた。買い物も済ませたらしい。
煎餅布団にAを寝かせ、袴の帯を緩めた。苦しいだろうから、と解いたが
体温計を咥えさせている間に、冷却シートを額に乗せる。冷たいのか、少し顔を顰めた。
ピピピ、と無機質な音が鳴り電子板を確認した。
「39.4か」
「僕、お登勢さんに連絡入れてきます」
「おう、頼まァ」
若人よ、無茶をしながら生きるべからず→←ちゃんと睡眠時間は取りましょう
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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています！もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか？ (2021年2月24日 15時) (
レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月23日 17時
